カテゴリー: Development

SQL識別子のエスケープ

SQLのリテラルはエスケープが必要であることは広く認知されていると思います。しかし、識別子のエスケープはあまり広く認知されていないように思います。

PostgreSQLの場合、識別子のエスケープAPI(libpqのPQescapeIdentifier)が提供されておりPHPでもpg_escape_identifier()として利用できます。PostgreSQLの場合は”(ダブルクオート)で識別子を囲むことにより、ダブルクォート無しでは利用できない文字(例えば日本語)も識別子に利用できるようになります。
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Rails4セキュリティ リローデッド(仮)

前回公開したRails4セキュリティのスライドは誤解をされる可能性があるのでは?と指摘される方も居たので「Rails4セキュリティ リローデッド」として追加情報を加えたスライドを作ろうかと思っていました。確かに、今見直したら肝心な所で追加し忘れてる部分があって誤解しやすい、というか言いたい事が分からないかも知れません。

入力パラメータをバリデーションするとは、バリデーションするメソッドを作ってバリデーションする、ことです。必須・許可設定だけだとモデルに渡すデータがどれかしか分かりません。許可設定と同時にバリデーションする事が良い、という事です。少なくともここだけは直した方が良さそうです。

あまり時間が取れなかったのでスライドを作るために作ったメモを取り敢えず公開します。スライドにして欲しいという方が多ければスライドにするかも知れません。

メモを読む前に「モデルで処理に利用すべきパラメータが指定してある場合、モデルで指定外のパラメータをバリデーションすべきか?」を考えてから読むと解りやすいかも知れません。

関連エントリ

 http://blog.ohgaki.net/rails4-security

 

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岡山Ruby会議02のプレゼンテーション資料「Rials4 Security」

岡山Ruby会議02が先週末の土曜日にありました。私は「Rails 4 セキュリティ」をテーマに講演させていただきました。

プレゼン資料だけでは分かりづらいと思いますが、参考までに公開します。

Rails4Security.pdf

追記:肝心なところで記述漏れがあり、誤解もあったので解説を追加しています。こちらも合わせてご覧ください。

http://blog.ohgaki.net/rails4

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Rails4 Windows `require’: cannot load such file — sqlite3/sqlite3_native (LoadError)

多分、WindowsにRails4をインストールしようとして困っている方も多い(?)と思うので簡単にエントリを書きました。

Rails4をWindowsで使うにはWindows版のRuby 2.0とDevKitがあれば良いとあったのでこれらをインストールした後に

gem install rails

を実行するとしばらくするとインストールが完了したが、テストアプリを作り実行しようとしたら もっと読む

PHP 5.5.0 リリース

PHP  5.5.0がリリースされました。
PHP 5.5のリリースにともないPHP 5.3の開発は終了し、今後一年間セキュリティフィックスのみが提供されます。

PHP 5.3/5.4で動作するPHPアプリケーションのほとんどはそのまま動作しますが、非互換な変更を含むリリースです。ChangeLogやマイグレーションガイドを利用してアップグレードが必要です。

個人的に特にお勧めしたい新機能はPHP 5.5から含まれるcrypt関数のラッパー関数であるpassword_hash関数です。この関数を利用すると、PHPのバージョンアップをするだけで互換性を維持しつつ最適なパスワードのハッシュ化が可能になります。

バイトコードキャッシュモジュールであるOpcacheも標準モジュールとして配布されるようになりました。OpcacheはZendOptimizer+としてZend社が商用製品として配布していましたが、Zend社から提供され標準バンドルされることになりました。APCとは全く別のモジュールなので注意してください。OpcacheはソースコードからビルドすればPHP5.3/5.4でも利用できます。

気になる性能ですが様々な最適化で少し速くなっています。

OpcacheはAPCより多少性能が良いです。元々Zend社が作っていたので特にZendFrameworkとは相性が良いようです。

ところでセッションアダプション脆弱性の修正は時間ができたらマージできる物を用意します。と、いうことでまだ少しお待ちください。

Webノウハウシェア2013のスライド

5月24日(金)に開催されたWeb担当者向けのセミナーの「Webノウハウシェア2013」にBOSS-CON JAPANのPHP Security AlianceのCTOとして講演してきました。その講演のスライドです。


http://www.slideshare.net/yohgaki/boss-conphp

Javascriptを利用した内部ネットワークのスキャンが可能である事は良く知られていると思います。ここ数年セキュリティ研究者は更に企業ネットワーク内の奥深くに侵入する手法を研究しています。

企業内のシステムはインターネットに公開するシステムに比べると甘いセキュリティ対策が採用される事が多いですが、インターネットと同様のセキュリティ対策を行わないと思わぬリスクが発生します。特にSSRFの脅威は広範囲に渡ります。正しく理解しておく必要があります。

追記:PHPユーザに取って重要な事の1つを紹介しておきます。

PHP-FPMを利用する場合、php_admin_value, php_admin_flagでphp.iniを設定する方が良いでしょう。手元のFedora18のNginx+PHP-FPMでPoCをそのまま実行した所、エラーになって攻撃は成功しませんでしたが、php.iniの設定をリモートから変更できるとする情報もあります。

追記:ブログアプリ変更でリンクが無くなっていたので、SlideShareの方に公開しました。

PROVE2の紹介動画

PROVE for PHPへ紹介動画を掲載しました。PROVEの動作・操作を3分ほどで見て頂けます。より高解像度で見れるようYouTubeにHD版もアップロードしています。

PROVE for PHPはPHPの内部動作を記録・比較し、新しいバージョンで意図通りに動作しているか確認できるテスト・ツールです。PHPプロジェクトがソースコード管理システムをGitへ移行してから、予定通り毎月新しいリリースが公開されてます。PHPを最新の状態に保つ事はセキュリティ維持の為に書かせませんが、運用中のシステムのバージョンアップは容易ではありません。PROVEはそういったバージョンアップを簡単にします。

使い方は色々あります。

  • PHPのバージョンアップ前後の動作確認
  • 再帰テスト為のリクエスト送信をWebアプリに送信
  • 実行内容を参照し問題の発生箇所を特定

PROVEはPHPの動作環境を記録した時と同じ状態にして、スクリプトを実行できます。この為、テストケースの作成はブラウザでアクセスするだけ、テストは記録したログを再生するだけで完了します。PHPのバグフィックスやセキュリティフィックスで動作が変わった場合、どこで動作が変わったのか簡単に分かります。リリースノートなどのみでは分からない動作変更も見つける事ができます。時間関数やファイル関数、データベース、ネットワークなど状態や外部リソースに依存する関数は実行をオーバーライドし、記録した時点の結果を返すことが出来ます。つまりmicrotime関数やsrand関数などに影響されずに、(PHPの動作が変わっていなければ)記録時点と同じ実行結果を得る事ができます。

PROVEのホームページで解説していない利用方法として、スマートフォンや携帯サイト開発での利用方法を紹介します。PROVEには「再帰テスト為のリクエスト送信をWebアプリに送信」する事ができます。スマートフォン、携帯サイトなどの場合、機種などの応じて異なるレスポンスを行う事が良くあります。PROVEの場合、PHPアプリにリクエストされた「リクエスト情報」がそのまま記録されます。これを再生することにより、繰り返しスマートフォンや携帯を使わずにこれらのデバイスを利用したテストを再現できます。

PROVEには前回記録した状態を再現・外部リソースに依存せずに動作する機能がありますが、この機能を利用しない状態でも利用できます。この場合、データベースやファイルなどの外部リソースをテストケース作成時と同じ状態にして実行し、PROVEによる再現機能を使わずにより広い範囲のPHP機能のテストを行う事も可能です。

プロキシやブラウザでWebアプリケーションの動作を記録するテストシステムと比べると、PHP内部の動作を全て記録するPROVEのテストは比較にならない程強力です。

PROVEの基本機能

  • ブラウザからのリクエストの記録
  • リクエストを処理した際のPHP動作の記録
    • 全てのリクエスト情報(POST、GET、COOKIEなど)
    • 出力(出力関数単位で習得可能)
    • 関数呼び出し
    • 関数戻り値
    • セッション情報
  • 記録したリクエストの再生
    • 記録した時点の状態を再現
    • 指定した関数のみ状態を再現
    • 記録時点の状態を再現せずに実行
  • 実行差分の参照
  • 記録したログの参照

新しいPROVE2のベータ版が公開中です。ご興味がある方は是非一度お試しください。

ホームページ

ベータ版ダウンロード

 

PHPのStrict Sessionパッチ

のんびりしていた訳ではありませんが、PHP 5.4.1のブランチが作られたので慌ててStrict Sessionパッチを改訂しました。

master
https://gist.github.com/1379668

5.4
https://gist.github.com/2224196

5.3
https://gist.github.com/2224360

以前、Gistに入れていたパッチとの違いは、

  • PSモジュール(セッションセーブハンドラ)のAPIを変更しないように修正
    (これにより使っているハンドラが対策済みかどうかは見て分かるようには出来なくなりました。その代りにmemcacheなどのサードパーティのセーブハンドラのコンパイル済みバイナリとの互換性を維持しています。)
  • セッションIDのコリージョン(衝突)を検出
    (三回リトライしてもコリージョンする場合はエラー。通常、三回もコリージョンすることはまずあり得ません。)

となります。

PSモジュールを書く方(ユーザセーブハンドラ含む)はセッションをOPENする場合にセッションIDが初期化済みか、チェックする必要があります。

と、ここまで書いてパッチに多少問題がある事に気が付きました。自動生成する場合はコリージョンを検出していますが、session_regenerate_id()で生成する場合はコリージョンをチェックしていません。session_regenerate_id()を呼んだ時もチェックしないと片手落ちなので近いうちに修正します。

パッチを書いていてsession_write_close()してsession_start()をした場合、おかしくなることに気が付きました。困っている人が居るか、バグDBを検索するとやはり数人からバグレポートされていました。この件は別途に対応する事にします。

パッチを使ってみてくださる方、大募集です。ZTS、Non-ZTSの両方でUNITテストは実行していますが、Webサーバでテストしていません。動いたら、Twiterなどで良いので教えてください。よろしくお願いします。

 

このパッチについては、こちらをご覧ください。これは私が書いているのでおかしな英語があった場合、教えて頂けると助かります。

https://wiki.php.net/rfc/strict_sessions

OSC愛媛2012の資料 – PHP5.4とはどんなPHPなのか?

OSC愛媛2012の「PHP5.4とはどんなPHPなのか?」の資料を公開します。ポイントは以下の通り。

  • PHP 5.4は基本的にはベターPHP5.3
  • 互換性問題もあるが、一般に致命的な問題はない
  • 全般にPHP5.4は速い
  • 移行を考えている方は早い方が良い(使える期間が長くなる)
  • ディストリビューションのPHPを使う、という選択もある(RHEL6 PHP5.3, Ubuntu LTS PHP5.4?)

プラットフォームの選択には様々な事情がありますが、Traitsはコードを効率良く再利用するには便利な機能です。さっと移行してしまうのも良いでしょう。

ところで、Traitsの例としてアクセサの実装例を紹介しています。

https://gist.github.com/1379592

しかし、次のPHPではC#風のアクセサ文法がサポートされる可能性があります。

https://wiki.php.net/rfc/propertygetsetsyntax

こちらの方が色々便利です。利用する場合は、このような文法が実装される可能性があることを理解した上で使うと良いと思います。

PHP 5.4でのAccessorとPHP 5.5以降で検討されているAccessor

二回目のPHP 5.4 Advent Calender用のエントリです。

今回はPHP 5.4より後のPHP(5.5かな?)で利用可能になると思われるAccessorの仕様について紹介します。まずはAccessorのおさらいから。

追記:この機能は投票で棄却されてしまいました。賛否両論が拮抗していたのですが、実装されなくて残念です。

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