私は国際化ドメイン名(IDN)は前から必要無いと考えています。そしてフィッシング(Phishing)の流行のおかげ(?)で国際化ドメインは過去の物となることは決定的となったと思います。何故ならほとんどのブラウザはIDNが無効な状態がデフォルトになると思われるからです。
もともと国際化ドメイン名が提案されていた頃から似た文字を使用した紛らわしいサイト名について議論されていました。今日のように組織的にフィッシングが行われ、数百億単位の損害であると言われている状態では国際化ドメイン名は百害あって一利なしとまでは言えなくても、百害あって一利がある程度と言わざるを得ないと思います。国際化ドメイン名で「商品名.jp」の様に簡単に必要なサイトにアクセスできる、ことがメリットとして紹介されていますが、フィッシングを行っている犯罪者にも好都合です。ありとあらゆる商品やサービス名を使って個人情報を盗むには好都合です。今日のように検索サイトが高機能化している場合、「商品名.jp」などと言うサイトが無くても検索サイトで検索すれば良いだけです。そして検索サイトの検索結果の上位にフィッシングサイトが載ってしまう、と言うことはあまり考えられません。国際化ドメイン名は本当に必要なのでしょうか?
新しいトップレベルドメイン名についても色々議論されていますが、これらの不必要です。.infoや.bizなどの比較的新しいドメインは作られはしたものの.infoや.bizドメインを持つサイトは怪しげなサイトに思えてしまうのは私だけでしょうか? 私だけでは無い証拠(?)に.infoや.bizドメインはほとんど使われていない様に思えます。少なくとも私は.info/.bizドメインのURLを見た場合「本物かな?」と疑ってしまいます。
結局、国際化ドメイン名も新しいドメイン名もドメイン登録業者だけが喜ぶだけではないでしょうか? 念のために自分が保有している名前と同じドメイン名を取得しているだけ、と言う会社がほとんどではないかと思います。
会社等のサイトの場合でフィッシングに対抗したり責任のある対処をとるのであれば、複数のトップレベルドメインの使用は控えるべきと思います。フィッシングに対抗すると言う理由ではありませんが、多くのグローバル企業が.comドメインのみを使用するようになっています。例えば、IBMのサイトの場合は必ずドメイン名がibm.comで終わる、とユーザが解かっていれば仮にibm-newservice.comと言うフィッシングサイトが在ったとしてもユーザは本当に「IBMのサイトか?」思う可能性が高くなります。基本的には組織や団体は一つのドメイン名のみを使用するべきです。
「組織や団体は一つのドメイン名のみを使用するべき」と言う考え方に多少関連していますが、私が特に気になっているドメイン名に地方公共団体の組織で.go.jpドメインが利用できるにもかかわらず.jpドメインを使用しているサイトがある事です。.go.jpドメインであればドメイン登録の仕組上、どのような組織であるかは決まっていますしユーザも解かっている確率が高くなります。しかし、ドメイン登録が面倒なのか(それとも.jpドメインの方がカッコいいとでも思っている!?のか).go.jpドメインではない.jpドメインを使用しているサイトが非常に目に付きます。地方公共団体による不必要な.jpドメインの乱用が続けばフィッシングに利用されるようになることは簡単に想像できます。偽サイトを本物の公共団体サイトである、と信じさせる事が出来れば「オレオレ詐欺」に簡単に引っかかってしまう日本人なので個人情報が盗み放題になってしまうかも知れません。
.jpドメインが不必要とは思っていませんが、更に新しいドメインの仕組や新ドメインは必要か? 答えはNOではないでしょうか?