月: 2008年11月

スイス政府の「民間防衛」

スイス政府が作成した「あらゆる危険から身を守る 民間防衛」を紹介しているページをたまたま見つけました。この本の存在は聞いたことがありますが、キャッチフレーズは知りませんでした。「あらゆる危険から身を守る」といったキャッチフレーズに反射的に「ワンクリックで購入する」しました。

スイスが外国を侵略しないが侵略もさせない、としている永世中立宣言をしている国であることは良く知られていると思います。国際紛争解決の手段として戦争を放棄している日本とは、ある意味同類の共感を得る国でもあります。そんな国が国防の為に国民に配っている本であれば一読に値すると思い購入しました。まだ、本は来てもいないし、読んでいないので無責任と言われるかも知れませんが、民間防衛を紹介しているページで引用されている部分の一部を紹介します。引用されている内容は、日本がとるべき態度、日本で起こっている状況、だと思えてなりません。

われわれを取り囲む国々が武装し続ける限り、われわれは国家の防衛を怠ることはできない。

当然の論理です。犯罪がなくならない限り、警察をなくせないのと同じです。

われわれは、にせ平和主義者たちが、武装するのをやめないでいることを確認している。われわれの信念は誠実なものである。われわれは、だれ一人殺そうとするつもりはないが、ただ正当防衛を確保しなければならぬ。

独立を保ち、主権を守ることは簡単な事ではありません。それは世界史を少しでも勉強すれば、誰でも解る事です。よく「日本は平和ボケしている」と言われます。日本の自治体が行っている「無防備都市宣言」をスイスの方に聞くと、どのような反応をするのでしょう。

もし外国勢力がスイスを攻撃しようと欲しているのなら、彼らは、スイスの報道機関の態度が仮に友好的であったとしても攻撃をかけてくるだろう。大切なことは、われわれ国民が、外的のどのような圧力にも、どのような脅しにも、屈することなく反撃できるように、毎日心がけていることである。
 われわれは、自己の運命は自分自身で決定したいと、他人に指図されたくないと、常に願っている。

“友好”だけ考えた外交を行えば、日本の国益が守れる、と考えている報道が多すぎです。日本の国益には国民の生命、財産、権利や尊厳も含まれています。国益と言うと外交だけであり、個人の生活に直接影響しない、などと考えているのは間違いです。

新聞、出版物、ラジオ及びテレビは、このような心理戦争の段階に於いては、まさに決定的な役割を果たすものである。そのため、敵は、編集部門の主要な個所に食い込もうとする。われわれ国民はこれに警戒を怠ってはならない。敵を擁護する新聞、国外から来た者を擁護する新聞は、相手にしてはならない。われわれは、われわれの防衛意識を害するあらゆる宣伝に対して抗議しよう。

「敵を擁護する新聞」「国外から来た者を擁護する新聞」「防衛意識を害する宣伝」ばかりなのが日本の新聞ではないでしょうか?新聞だけでなく政党ですら「敵を擁護する政党」「国外から来た者を擁護する政党」「防衛意識を害する政党」ばかりなのが日本の政党ではないでしょうか? 戦争は無い方が良いに決まっていますが、日本を敵国として扱ってる国ばかりに囲まれているのが日本です。

全体主義諸国による大規模な“平和攻勢”において、彼らは、スイス国民の幸福を願い、また、人類の、より一層の幸福と安全のために、われわれと協力しようと言っている。全てが結構ずくめである。われわれは、世界の全ての国と平和に生きること以上に、何を希望することもない。しかしながら、われわれの知っているこれまでの経験は、われわれ自身の運命を他人に再びまかせてはならぬ、ということを教えてくれる。
 われわれに対して、外国から次のような呼びかけがある。
 まず、スイスの兵士をそれぞれの家庭に帰そうではないか。国境に集結していても無駄ではないか。家庭に、なすべきことが待っている、と。
 これに対して、われわれは次のように答える。
 それはわれわれ自身の問題で、他国の知ったことではない、と。

日教組が行っている教育のキャッチフレーズ「教え子を戦場に送るな」その物です。「平和攻勢」は日教組を含む左翼団体が良く行っています。不思議なのは、日本を守っている自衛隊と米軍への抗議は頻繁に耳にするのですが、日本を敵国と位置づけている北朝鮮が日本人を拉致しても、弾道ミサイルを日本の上空を超えて打ち込んでも「平和攻勢」を行う団体は抗議しません。同じように、中国の核兵器を積んだ原子力潜水艦が領海侵犯しても、米軍の為に特別に狭い領海を設定している津軽海峡を中国の駆逐艦が横断しても、「平和攻勢」をかける団体が中国政府に抗議したとニュースを聞きません。本当に平和を望むなら、日本を敵国として軍備を行っている国に対して抗議すべきでしょう。

民間防衛」を読むのが楽しみです。多くの日本人が読めば日本が変わる本なのかも知れません。

国籍法 – 違憲判決を考える

最高裁判所は父方が日本人、母方が外国人の場合、嫡出子と非嫡出子の国籍法での取り扱いの違いが違憲であると判断しました。しかし、最高裁の5人の判事は違憲であるとは断定していません。この判決には疑問点や問題点も多くあるのです。以下のURLに、その疑問点や問題点が詳しく解説されています。

国籍法違憲判決の問題点
http://tamacom.com/~shigio/defend/nationality-j.html

私は少し視点を変えて、国籍法の規定と法の下の平等を考えてみます。
そもそも、国籍法で嫡出子と非嫡出子をなぜ区別してたのか理由は何だったのでしょうか?

よく議論に「母親が日本人の場合は、婚姻に関係なく自動的に子は日本人なのに、父親が日本人の場合は、婚姻が条件となり子は自動的に日本人にならないのは平等ではない」と挙げられています。しかし、本当に親の性別により、この区別が作られたのでしょうか?

婚姻要件の区別が作られた理由は親の性別でなく、母親の国籍が区別の理由なのです。母親が日本人である場合、出産は生まれた子が日本人から生まれた子であると容易に証明できます。一方、母親が外国人である場合、出産により生まれた子は外国人であることは容易に証明できますが、日本人の子であることの証明は容易ではありません。最高裁では血統主義を違憲としていません。血統の証明に合理的な疑いの余地がある為、出生前の認知と婚姻を生まれた子の国籍付与の条件としたのです。嫡出子に限る制限は、血縁がある場合でも、国籍取得を目的とした無責任な受胎を防止する効果を持たせていました。嫡出子に限ることに合理性がありました。(前のエントリを参照)従って、婚姻要件は合理的な区別であり、合憲である考えられます。

実は最高裁も同じ考えです。最高裁判所の判決でも立法時には合憲であった、としています。結婚、家族形態が変わり、婚外子が増えた事を違憲の根拠としています。国籍法違憲判決の問題点では0.8%から2.0%となっていますが、衆議院法務委員会の稲田朋美議員の質問では、非嫡出子が1%から1.9%と0.9%変わったことにより、国民の意識が変わったとするのは疑問である、としています。国籍法違憲判決の問題点で詳しく解説されています。

次に、外国人の母親から生まれた子の取り扱いが「法の下の平等」(憲法14条1項)に違反するとの判断ですが事実ではないと考えます。まず「法の下の平等」とは全ての国民が同じように生まれ、育ち、生活する事を保障する事を意味しません。共産主義国家でも「全ての国民が同じように生まれ、育ち、生活する」など実現していません。20世紀の壮大な実験により、共産主義・社会主義は逆に大きな差別と虐待を生むシステムだと証明されています。素人の理解ですが「法の下の平等」とは法的地位やそれに伴う取り扱いで不当に差別する事を意味する、と理解しています。

「法の下の平等」が担保されず違憲とするなら、外国人の母親から生まれた非嫡出子に対する法的地位(外国人であること)により、日本国内における社会保障や教育など日本国民が得られる公的サービスが不当に制限されていなければなりません。しかし、衆議院予算委員会で各担当省庁の官僚が答弁した通り、現在の日本では、外国人も実質的に日本国籍を持つ者と同様の公的サービスを受けられます。つまり外国人の子であっても「法の下の平等」は担保されているのです。

さらに、日本人の父親に認知されている外国人の子の場合も、もちろん帰化が可能です。普通に生活していれば、確実に日本国籍を取得可能です。帰化により平等性は十分担保されます。最高裁判事の横尾和子氏ら3名も、判決文が帰化を『軽視しすぎている』と批判しています。

最高裁判所が違憲としている根拠が不十分であり、裁判官の中でも議論になっていたのです。

「最高裁の判決であっても、間違っているものは間違っている」と衆議院法務委員会で赤池誠章議員も発言しています。私も同意見です。

日本国の最高裁判所が、日本とは全く異なる、海外の状況(日本の婚外子は2%弱、欧州は30〜50%超)を参考するなど「本当に日本国の最高裁判所なのか?」と疑問に思える判決です。

国籍法 – 100年先の日本人は何人いるのか?5000万?1億?2億?

国会議員や官僚の想像力の少なさは嘆かわしいです。それとも分かっていて確信犯としてやっているのでしょうか?先日は中国が侵略的意図を持ったシナリオを書きましたが、今度は侵略するつもりが無くても、日本が崩壊する可能性を考えてみます。

一人男性が多くの子供を認知をする行為を防止するには、認知の際に、何時出会ったか、出会った経緯などを聞くことによって防げる、と考えています。

これは無理です。100人の子供を認知してもおかしくない国は、世界中に沢山あります。例えば、テレビでも有名なボビー・オロゴンさんがアフリカの故郷に帰郷しているテレビ番組を見た事があります。ボビーさんの兄弟は何十人もおり、一緒に暮らしていました。ボビーさんの国では重婚が認められているのです。お父さんはかなりお金持ちらしく何人も奥さんがおり、結果として異母兄弟が何十人もいるのです。このような状況が現実としてある国では50人、100人の子供は非現実的ではありません。

アフリカの国々をはじめ、外国には宗教的な理由から男性の重婚を法的に認めている国は多くあります。嫡出子だけでも数十人の子供がいてもおかしくないのです。重婚を認めている国々では、貧しい人々が非常に多く暮らす国があります。治安が極端に悪い国も少なくありません。

生きる為に、自分の家族を守る為に、遠い異郷の地であっても日本に脱出する手段があるのであれば利用するでしょう。私が同じ境遇であるならが、必死でその方法を模索するかも知れません。女性であったなら比較的簡単です。自分の子供を認知してくれる日本国籍の男性を見つければ良いだけです。男性であっても妻との子供を認知してくれる日本国籍の男性を見つけるだけです。辻褄さえ合っていれば、法務局は国籍付与を認めざるを得ないでしょう。DNA鑑定を導入しても、文化的な違いもある為、大量の真正な子を儲けることも不自然ではありません。(これは現在の国籍法でも可能ですが、日本の民法による婚姻要件があった時は事実上不可能でした)

どれくらいの日本人が増えるのか、簡単に考えてみましょう。単純化するため、仮に日本に全く来ること無く、元から暮らしていた自分の国に居住し続けたとします。簡単に計算する為の仮パラーメタを設定します。一人が平均100人の男の子を作ったとして、はじめに1000人の日本人男性がいたとします。男系だけの日本人でも

100^世代数 (^は累乗)

のペースで増えていきます。若者の曾孫の代には、

1000(本人)*100(子)*100(孫)*100(曾孫) = 1,000,000,000人

なんと10億人の日本人が生まれることになります。仮定が単純で極端なので、実際には成長する前に死亡したり、より少ない子供しか作らない事もあるはずであり、当然もっと少ない数値になると考えられます。(50人ずつなら1250万人です。もし、最初に日本人が1万人いれば1億2500万人です。1万人と言うと多いようですが、毎年1万人ほど日本に帰化しています。)指数的に増えると大きな問題になる事を理解してただく為に、非現実的な数値にしています。もう少し現実的な数値に変えても、たった数世代先に日本人が数百〜数千万人、もしかすると1億人以上増加することは可能である、思えませんか?(家族も入れると更に数倍から数十倍) 3世代目、4世代目、5世代目でも日本人でいることに価値があるなら、なおさら可能性が高くなります。

ちなみに5世代目までだと

1000(本人)*100(子)*100(孫)*100(曾孫)*100(玄孫) = 100,000,000,000人

1000億人!となることは有り得ませんが、重婚を認めている文化や法律を持つ外国の国民ほぼ全べて日本国籍所有者となっていてもおかしくありません。(22歳までなら重国籍が日本の法律でも認められている。外国が国籍放棄を禁止すれば、日本国籍を宣言しても、重国籍状態を維持することも可能)

海外で居住する日本を知らない日本人が、日本国内の日本人より多く存在する事態になれば、従来から日本で暮らし続けている日本人の権利は重視されなくなるどころか、ないがしろにされる可能性さえがあります。民主主義ですから当然です。民主主義を理解しない国民であるなら、独裁国家・人権弾圧国家の非民主主義国家に変わってしまう可能性すらあります。

民主党は衆議院法務委員会の付帯決議として、新しい国籍法を世界中に周知させる項目を入れました。これにより、外務省は世界中の国々へ悪用可能な国籍法を周知しなければならくなりました。移民を受け入れてきた国が、移民の家族をDNA検査で判別しているのは、このように指数的に増える移民人口を抑える為に、必要不可欠であるから何年も前からDNA鑑定を導入したのです。悪用が法的・科学的に不可能であれば良いのですが、悪用可能な国籍法を海外に周知徹底せよ、と要求する民主党の要求は理解できません。

日本国籍を持つ者は日本国が責任を持って保護しなければなりません。世界中で膨大に膨れ上がった場合でも、日本国は全ての日本人を等しく保護しなければなりません。「日本人でいること」に価値がなくなれば、日本人の人口が膨大に膨れ上がる事はないでしょう。しかし、「日本人でいること」に価値がなくなった日本に娘やその子供たちに住んで欲しいとは思いません。

今、国会議員は重国籍も検討しています。重国籍も非常に大きな問題であり、重国籍も決して認めてはならないと考えています。もし仮に重国籍が国会で認められそうになるのであれば、ブログに取り上げます。

私には、自分の娘達の子供や孫に膨大に膨れ上がる「日本人の責任」を押し付ける事はできません。皆さんも同じではないでしょうか?

私は排外主義を唱えるつもりはありませんが、無制限とも言える解放には反対します。
「日本が崩壊する」と同じ危機感を少しでも共有できる方が増えれば良いのですが…

Google Trendsから見た国籍法へ興味を持つ国

先ほどGoogle Trendsで「国籍法」で検索してみました。
http://www.google.com/trends?q=%E5%9B%BD%E7%B1%8D%E6%B3%95&ctab=0&geo=all&date=all&sort=0

やはり中国では日本の国籍法の改正が話題になっているようです。
心配だけで終われば良いのですが…

国籍法改正により、もし偽装認知による国籍取得が横行すると、父方日本人の嫡出子で国籍を取得している日本人まで、認知による国籍取得者として周囲から疑われる、などの不利益も発生しそうです。真正な日本人には迷惑な法律を作った物だと思います。

真面目な中国人も沢山いるのに、日本人より犯罪率が高い(海外に日本人が行き犯罪者となる割合と中国人が来日して犯罪者になる割合を比べるとすごい違いになります)ので、真面目な中国人が疑いの目で見られるのと同じです。真面目な中国人なら犯罪を犯す中国人などいなくなって欲しい、と思っているに違いありません。

にも関わらず、わざわざ犯罪者に利用されやすい法律を作る。全く理解できません。

国籍法

国籍法改正 – 衆議院法務委員会で採決され通過

国籍法の改正が、全く修正されず、衆議院法務委員会で可決しました。
おそらく、すぐ事後の本会議でもほとんどの議員の賛成を得て可決するでしょう。
民主党が賛成なので、参議院での法案修正も難しく、参議院でもこのまま可決すると思われます。

最高裁の違憲判決の中にも、父子の真正性を確かめるようにとあったのですが、DNA鑑定を条項として盛り込まれないでしょう。しかし、海外ではDNA鑑定は普通に行われています。

牧原氏は、「調べてみると、スイスは従来の日本の法律(国籍法)と全く同じだ。ドイツは今回の日本と同じような改正を行ったところ、偽装認知などの事例がみられた。日本はドイツと同じ失敗を繰り返すことになる。DNA鑑定は有効であり、世界的にも事例があることだ」と語っていました。会合で配布された各国の移民の家族に対するDNA鑑定の様態は以下のようでした。

 ・イギリス…1990年代から実施されている。法的根拠はないが、移民行政によって行われている。口腔組織を採取し、政府により権限が与えられている機関で分析する。費用は、国が負担する。

 ・イタリア…2005年3月から実施されている。移民に関する統一法典を改正する2004年10月18日のデクレに法的根拠がある。血液または唾液を採取し、政府により権限が与えられている機関で分析する。費用は、申請者が負担する。

 ・オーストリア…2006年から実施されている。法的根拠及び詳細は不明。

 ・オランダ…2000年2月1日から実施されている。1999年6月23日に、国会でDNA鑑定が認められ、2000年1月27日に関係法が公布された。口腔組織を採取し、政府が権限を与える3つの機関で分析が行われる。費用は申請者が支払うが、親子関係が証明されれば、払い戻しを受けることができる。

 ・スウェーデン…開始時期については不明。現在、法的根拠はない。血液を採取し、国立法医学研究所にて分析する。費用は、申請者が負担する。なお、DNA鑑定に関する法制度を現在策定中である。

 ・ドイツ…開始時期については不明。現在、法的根拠はないが、ドイツへの外国人の入国及び滞在に関する2004年8月5日の法律に拠って行われている。唾液を採取し、政府により権限が与えられている機関で分析する。費用は、申請者が負担する。なお、DNA鑑定に関する法制度を現在策定中である。

 ・デンマーク…1994年から実施されている。1996年からさらに強化されて実施されている。外国人法第40条Cが法的根拠である。血液を採取し、コペンハーゲン大学で分析する。費用は、政府が負担する。

 ・ノルウェー…1999年から実施されている。法的根拠は不明だが、DNA鑑定の態様については、2002年の通達に従って行われている。唾液を採取し、イギリスの政府認定機関に送付され、分析される。費用は、国が負担する。

 ・フィンランド…2000年6月から実施されている。法的根拠は、2000年3月1日に改正された外国人法である。血液または口腔組織を採取し、ヘルシンキ大学または政府が認定する医学研究所で分析する。費用は、国が負担するが、分析の結果、血縁関係が認められない場合には、費用は申請者が支払う。

 ・ベルギー…2003年6月から実施されている。法的根拠はない。血液を採取し、ブリュッセルにあるエラスムス病院で分析する。費用は、申請者が負担する。

 ・リトアニア…詳細は不明。

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/799264/

何を差別を言うのでしょうか?DNA鑑定によって救済されるべき日本人にも何ら不利益はありません。しっかりとした検査であれば、周囲からも偽日本人の疑いをかけられる事もなく、良いくらいでは無いでしょうか?反対に、DNA鑑定を行わない事により売春、児童虐待などの被害者を多数生む可能性が十分あるのは明らかです。わざわざ人身売買を目論む犯罪者に利するような法律を作り、通してしまう、そんな日本の政治には危機感を覚えます。

法務委員会の官僚の答弁では、出入国記録などで届けでの真贋を計る、としていました。しかし、海外にずっと居住してきた日本人男性の場合はどうするのでしょうか?子供といっても20歳までが子供です。実際に幼い子供を認知・国籍付与しても、海外で育ち大きくなるかも知れません。出入国記録など全く役に立ちません。絶対に本当の父子であるのか判別できないケースが分かっており、その対策も確立しているにも関わらず、法案に対策を書かないのは立法府の怠慢と言えます。

疑問点は他にもあります。海外に住む日本人が生活に困窮した場合の扱いです。今までの日本人は海外で生活に困窮するような事は、ほとんど無かったのではないかと思います。日本大使館が日本に送ってくれるのでしょうか?それとも海外で生活保護を受給できるのでしょうか?さすがに生活保護は地方行政の範疇なので海外で受給する事は難しいと思います。しかし、裁判をして最高裁まで争うとまた違憲判決が出るのではないでしょうか?つい先日も韓国籍の被爆者が、日本に来れないことを理由に被爆者手帳が貰えないのは違憲だ、とする高裁の裁判で違憲判決が出たところだと思います。生活保護も、最高裁で違憲判決が出たら法治国家としては、支給せざるを得ないでしょう。

前のエントリで、海外で出生し育った日本人が大量に増えた場合のリスクをフィクションで紹介しました。将来日本人は日本語も知らない、日本の文化も知らない、日本へ来たことさえない、大量の日本人の生活を支える為の存在、となりはしないでしょうか?少なくともそのリスクは予見できます。

本当に日本人なのかも定かではない日本人が、大量に日本にやってくる可能性がある事にも非常に不安です。直ぐに現れる雇用の悪化は様々な悪影響を社会にもたらします。本当に日本国民の総数に対して、影響が十分余裕を持って吸収できるような数量であれば良いですが、偽装認知による国籍取得とその家族が大量に日本にやってくるような事になれば、大きな社会問題となります。

法務省の見解だと、新しい法律で救済される件数は今までの情報からだと年間600件だそうです。仮に倍となり、1200件だったとしても税金でDNA検査を負担しても対した金額ではありません。たったこれだけで、何百、何千もの人身売買を防げる可能性があります。虚偽申請が疑われるケースを調査したり、警察が捜査するにも税金が必要です。DNA検査無しであれば、その費用はDNA検査がある場合と比べ、莫大な金額になると予想されます。

重要法案にいつでも反対の民主党も野党も、国を売るような法案に限って早々に賛成を決める、こんな政治では、娘達が将来どのような生活を強いられるのか本当に心配になります。

国籍法の改正 – 最悪のシナリオ

性善説に基づいた国籍法の改正が現実となりそうです。

18日に国籍法改正案などを衆議院で可決
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/129559.html

忙しくてどうしようもない時期なのですが、日本が本当に崩壊への一歩を踏み出す瀬戸際だと、危機感を持っています。

改正国籍法で考えられるシナリオにはいろいろありますが、私が予想する最悪のシナリオを紹介します。中国は国の指導者が日本への侵略の意図を度々公言しているので、中国が日本を民主的に侵略する意図を持っていた場合のシナリオです。

このシナリオは事実や正確な予測に基づく予想ではなくフィクションです。数値は便宜上いれていますが、単なる想像上の数値です。


2008年

一部の保守派から激しい反発が起こるが、マスコミは反対意見や危険性をほとんど報道せず、国籍法の改正が行われた。これにより、戸籍法で認知された未成年(20歳未満)の外国人に日本国籍が認められる事となった。

2009年

中国政府内の「日本を民主的に占領」する秘密作戦が、民主党の名前にあやかって「日本民主占領作戦」と命名され承認された。
(民主党の政策には”使える”政策が多いので)

中国政府の意向に従う中国ヤクザが、2008年現在およそ60万人いた中国人のうち1%に当たる男性6000名ほどを非嫡出子の日本国籍取得を目的に帰化させた。既に帰化済みの中国人数千名と併せて、2009年だけて1万名ほどの中国政府の息のかかった「認知」を行う日本国籍を持つ中国人の認知部隊が準備された。

日本政府、政治家がこの時点で危険に気づき「もし」国籍法を再改正していたなら「日本民主占領作戦」は成功していなかったかも知れない。しかし、グローバリズムを重視し日本が仲良くする意図さえ持っていれば、外国が日本を侵略するような事はない、前の大戦では多大なる迷惑をかけた国につまらない事でケチをつける事はない、と国籍法が再改正されなかった。

認知による国籍付与も懸念が多かった改正だったが、二重国籍の容認も同じく懸念が多い改正案だった。民主党、公明党、社民党と自民党の一部議員は「グローバルな時代に合う法制度だ」と、多くの国民が懸念や反対を唱えるなか日本で重国籍も認める法案を提出、衆参両議会で多数を得ていた民主党と他党の意向どおり重国籍も国籍法の改正により認められた。

韓国での重国籍容認は2008年から議論されていたが、この時期に中国が突然重国籍を認めた。マスコミは相互主義に基づくすばらしい対応だ、と中国と民主党の対応を褒めちぎった。これにより、中国籍と日本籍の両方を持ち続ける事が両国で可能となった。
(民主党の公約には「二重国籍の容認」があり、成立させることを党是としています)

201x年

数万の規模となった認知部隊、日本国籍を持つ中国人が、多数の成人に近い中国人男性を新たな認知部隊の隊員として認知した。成人に近い男子の認知による国籍取得が非常に多いことは、不自然であった。しかし、一人で多数の認知を行うなど、不審な点が無いため全て日本国籍の取得が認められた。この新しい認知部隊は数年後からあたらな日本国籍を持つ中国人を作るために認知を開始することとなる。

認知部隊の隊員が認知する子供の件数は、3件から6件と現実的な数値に抑えられた。法務局にも怪しまれず、捜査当局の捜査も虚しく、認知部隊は数万名の新日本人を中国国内で誕生させる事に成功した。

この時期に、中国政府が日本国籍も持つ場合、一人っ子政策を適用しない方針を打ち出した。日本国籍を持ている親は自由に子供を作れ、日本国籍を持つ父親に認知され日本国籍を持つ子は一人っ子政策の子として計算されなくなった。認知部隊員も実子であれば好きなだけ日本国籍を持つ子供が作れた。マスコミは日本国籍を持つ者に対する優遇策だと歓迎する一方、「人口侵略の一種だ」との保守派の懸念の声を「日中友好は日本の国益であり、中国の国益でもある。中国が日本を侵略するなどと言うのは戦前の匂いがする議論だ」と物量報道で圧殺した。

中国と日本国、両方の国籍を持つ中国人日本人が日本国内で増え、文化摩擦などの問題が発生し始めていた。日本国民の対中感情が悪化し、秘密作戦への影響を懸念した中国政府が、日本国籍を持つ中国人の来日を制限をはじめた。中国も重国籍を認めているため、中国政府が日本国籍を持つ中国人の来日を制限しても「内政干渉」とされた。日本政府が日本国籍を持つ中国人の渡航の自由を求めても、当然のごとく無視された。マスコミも人権問題であるので激しく抗議するのか、と思われたが中国を悪く言えないマスコミはほとんど抗議らしい抗議をしなかった。全てが中国国内で行われていたので多くの日本人は問題意識を持たなかった。保守派には日本国籍を持つ日本人が、全く日本を知らずに育つのは将来に大きな問題を引き起こすと警告する。しかし、保守派の警告はまたしてもマスコミの「中国に住む日本人も幸せな生活を送っている」「訪れたことがなくても、父の国である日本が大好きです」といった偏向報道でかき消された。
(新年のNHKのチベット番組には仰天しました。中国は昔から現在にいたるまでチベットの文化と伝統を保護してきた、共産党の言い分だけ放送していました。何千もの寺院を破壊したんですけど…)

中国政府は渡航以外に、中国国内にいる中国・日本、両方の国籍を持つ中国人が日本国民の権利行使の制限も開始した。具体的には参政権の行使を制限し、選挙への投票も行えないよう厳しく制限した。日本政府は日本国籍を持つ中国人の権利が著しく侵害されている、と懸念を表明したが中国政府はあっさり無視した。マスコミも渡航制限同様「内政干渉となる」などいろいろ言い訳がましい解説を行うに留まった。

日本への渡航や日本人としての権利を厳しく制限する一方、日本国籍も持つ国民を多く作る事を中国政府は奨励した。日本国籍を持つ親は多数の子供(実子)を作り、日本国籍を持つ子供を大量に作った。中国政府は日本国籍を持つ親に優遇策を講じていたため、一つの家庭で10人以上の子供を持つケースも少なくなかった。

2020年頃には、不正に日本国籍を取得したとも、正当に日本国籍を取得したとも判別できないが、その日本国籍を持つ者が中国国内に百万人を超える数となった。

この時点で中国国内の日本を知らない日本人中国人が百万人となった事に、懸念を表す政治家や言論人も多数現れるが、マスコミの圧倒的な物量報道で懸念がことごとく圧殺され、問題は国民に広く知られる事はなかった。

202x年

中国国内で出生し、育っている日本人が数百万人に達した。日本で生まれず、育たず、日本文化も全く知らない日本人が数百万人も海外に存在する、この事に危機感を訴える日本人も多数いた。しかし、中国政府は日本国籍を持つ中国人の日本への渡航と参政権を厳しく制限していた。このため、日本国内の多くの日本人には問題意識が湧かなかった。

中国国内に住む中国人日本人と言える人々への「参政権の剥奪」「日本への渡航禁止」が上手く機能し、「中国が持つ日本の政治への影響力」を心配しなければならない事例は、全く発生しなかった。保守派が熱心に政治への影響力の懸念を表明しても、いつもの「日中友好を阻害する勢力であり、戦前の軍国主義者の考えと同じ。最近の日本の右傾化傾向を憂慮する」等といったマスコミの物量報道で常に圧殺され、多数の日本人は現実の脅威として実感できなかった。

グローバリズムを標榜する議員達は「日本国籍を持ち、中国に住む国民が日本にきたり、参政権を行使できないのは、非常に問題だ。しかし、中国の内政問題でもある。視点を変えれば、日本国籍を持ち、日本に好意的な中国人が何百万人も中国で育っている、この事実は素晴らしいことではないか!将来の日本の為にもなる!」と発言、マスコミもこの意見に好意的な報道ばかりしていた。

203x年

日本国籍を持つ中国人の増やす政策は順調に継続され、中国国内で育った日本を知らない日本人が数千万人となった。20年ほど前に偽装認知で生まれた多くの日本国籍を持つ中国人が、偽装認知と生めよ増やせ、と多くの日本人を作ってきた結果だった。

このままでは日本が乗っ取られる、と保守派の必死の言論も、 201x年に成立し、202x年に取り締まりが強化された人権擁護法により完全に封殺された。

「中国に存在する中国人日本人は日本の脅威だ」と発言するだけで、人権擁護委員会により中国にいる日本人を差別していると認定、差別主義者として社会から抹殺された。
(自民党を除く全ての政党は人権擁護法に賛成です。もちろん民主党もです。)

203x年からは中国の脅威を全く語る事が不可能となった。

この頃には日本国内に居住する中国人もかなりの数となった、2010年には60万人だった中国籍と日本籍の両方を持つ日本人が600万人にも達した。一部の自治体では中国人の為の行政があからさまに行われたが、人権擁護法により全く報道されなかった。保守派は警告していた通りに人権擁護法も、国籍法の改正も日本人の利益を害する方向で機能している、と感じていたがどうしようもなかった。こんな事なら何十年も前に外国人参政権が成立し、自治体が外国人に乗っ取られて痛い目に合うべきだったかもしれない、と考えたが後の祭りであった。
(民主党は外国人参政権の早期成立が党是です。党是なのでマニュフェストにも書いてないそうです。)

205x年

中国国内で育った日本を知らない日本人が、日本本土の日本人の数とほぼ同数の9千万人となった。

この時点で中国政府は、日本国籍を持つ中国人の日本への政治参加を解禁した。日本に在住する中国政府の意向を受けた中国系日本人政治家が、中国からの投票により衆議院で圧倒的多数となった。

2回の参議院議員選挙と経て、中国系日本人が参議院でも絶対多数を得た。

両院で絶対多数を持ち、中国政府の意向に従う中国系日本人議員により、国家主権の譲渡を含む憲法を改正が提案された。国民投票を行い、軽々過半数を超えた賛成票が集まり、日本国の主権譲渡を可能とする憲法が成立した。
(民主党は主権の共有・譲渡を改正憲法案、沖縄ビジョンなどで党の政策として公表しています)

日本政府は中日併合条約を結び、日本は中国の一部となり、中国の「日本占領占領作戦」が完了した。205x年x月x日、中国は「日本民主占領作戦」の成功を祝い祝杯を上げよろこんだ。この時、マスコミは既に「マスコミは共産党の舌であり喉である」とする中国共産党の支配下にあった。全ての直系日本人が絶望感に浸るなか、祝賀報道を大々的に行い、直系日本人の耳に虚しく響いた。

驚ろくべき事実もあった。記録によると一部の直系日本人も中日併合を心から喜んでいた。喜んでいたのは、武器を持たなければ戦争は起きない、仲良くしようとすれば侵略や紛争など起きない、と信じていた人々だった。その後の末路も知らずに。
(中国共産党は、国民党から寝返り、共産党の尽くした部隊にろくな武器も持たさず朝鮮戦争に参戦させ、全滅させた実績があります。数千万人単位で国民を虐殺している事も周知の事実です。現在進行形で法輪功、チベット、東トルキスタンの方は弾圧、虐殺されています。)

2100

205x年、日本国民は20世紀半ば中国とアジアの人々を5000万人虐殺し、朝鮮人女性を強制連行し性奴隷として扱った極悪非道の民族だった、と歴史の1ページとして紹介されるだけの存在となった。そして、日本国民の血を引く事は恥であるとされ、差別の対象となった。
(2,3年前くらいに「日本はアジアの人々を5000万人殺した」との主張がありました。)

日本人の血を引く者達は「イスラエルを建国するまでの、ユダヤ人の気持ちが良くわかる」と言い、21世紀初頭から愚策を心の中で非難した。


フィクションですのでこの通りなる、とは思っていません。さすがに日本人もここまで馬鹿でお人よしではないと思います。しかし、なんとなくこんな歴史もあり得るのかな?と思えませんか?

このシナリオのポイントは侵略する意図があり、民主的侵略に大量の国民を投入できる国であれば、日本人が一人いるだけでも長い期間をかければ、民主的な侵略が可能になる点です。新しい国籍法の問題はこのプロセスを指数的に加速できるだけとも言えます。(加速だけでもすごいことですが)このシナリオを考えた時、国籍のあり方について考えさせられました。血統主義より出生地主義の方がマシなのではないかと。

もう一つのポイントは侵略が成功する直前まで、日本に住んでいる人はほとんど被害を被らない点です。さすがに国外に住む国民が人口の3割、4割になり、日本憎しと反日教育を熱心に行っている国に住んでいるとなると心配になってくるでしょう。実際には反日教育を行いながら、日本人を生めよ、増やせよ、などといくら共産党独裁でも無理でしょう。反日教育を止めた中国が一つにまとまっていられるか?といった問題もあります。

こんなまどろっこしい事を計画的にしなくても、人口が圧倒的に多い国なら人を送り込み続けるだけでも国は乗っ取れます。キッシムだったかな?インドから大量のヒンズー教徒の流入でインドに併合されて消えてしまった国。日本はキッシムのような小国ではないので簡単ではありませんが、余剰人口数億人の中国の隣なので常に警戒する必要があります。法制度の不備を突き、時間をかければ戦争をしなくても併合する事は可能です。

別のシナリオには「日中戦争が再発」も考えられます。日中戦争なんてアメリカも困るのでは?と思う方も多いかもしれませんが、日中戦争はアメリカの国益に叶う部分があります。

どちらも、フィクションの本にしたら結構おもしろいかも知れませんね。

セキュリティホールが悪用される事ばかり考えていると、心配性になっていろいろ悪いシナリオが浮かぶんですよね。職業病ですね。ネクラなのか?と誤解されそうですが、本質的には楽観主義者でお気楽な性格です。本当です。じゃないとSOHOなんて出来ません(笑 

最悪を予想し、最善を願う、兵法の基本であり、セキュリティ対策の基本です。願ってばっかり、の所が多いので困るのですけど(笑

追記:
民主的な日本国家の滅亡となると何十年間の期間が必要ですが、人身売買は直ぐにでも行われるでしょう。日本人の子供を権利を守るため改正で、外国人と外国の子供の人権が著しく侵害されるリスクが増大する。しかし、リスクを減少させるDNA鑑定は必須化しない、矛盾に満ちた法律です。

短いですが、割と良くまとまっている動画
http://jp.youtube.com/watch?v=pC0fImgoY9g
河野太郎が首謀者というあたりは、おそらく事実と異なります。
しかし、河野太郎は賛成派でしょう。重国籍の推進者であることは間違いありません。

これは詳しく解りやすく解説しています。是非見てください。
http://jp.youtube.com/watch?v=p6KU05NS4Ek (1/3)
http://jp.youtube.com/watch?v=p5vWBxQu3dU (2/3)
http://jp.youtube.com/watch?v=bgxdf_1qFsM (3/3)
「外国を見て来たきたからこそ、日本の良さがわかり、守っていかなければならないと感じた」とおっしゃる牧原秀樹議員の意見には全く同感です。しかし、国会議員が誰も知らないで重要法案が決まるとは、ここまで日本の政治はダメなのか、と悲しくなりました。

しかし、民主党のマニュフェストは信用してよいのでしょうか?PDFは検索しづらい画像形式ですし、ざっと見たところ外国人参政権、人権擁護法、戦時慰安婦賠償法、など異論が多い政策(それも直ぐに可決するつもりの法案)が明記されていないようです。こういう異論が多い問題こそ、マニュフェストに書くべきだと思いますが、既に法案を提出している、などの理由で書かないそうです。一国民としては騙された感じなのですが…

国籍法の改正案が成立間近 – 日本崩壊の危機

これまでブログに政治的な内容は一切書きませんでしたが、この問題については書かずにはいられません。国籍法の改悪により、本当に数十年のうちに日本が崩壊する可能性があると考えられるからです。専門家ではありませんが、全くこの問題についてご存知でない方の為に簡単に解説します。

最高裁違憲判決

昨年6月に最高裁で一つの違憲判決がでました。判決の要旨は”日本国籍を持つ父親が生後に非嫡出子を認知しても、日本国籍を取得できない現行の国籍法は違憲である”といった内容でした。現行の国籍法では父方だけが日本人である場合、結婚して認知しなければ生まれた子供に日本国籍は与えられませんでした。つまり、最高裁判決は婚姻要件が法の下の平等に反し違憲だとしました。

参考:
最高裁判例 – 国籍確認請求事件
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36416&hanreiKbn=01

内閣と国会の対応

公明党を中心として国籍法の改正案が準備され、11月4日に閣議決定されました。民主党も早々に賛成の方針を打ち出しています。この法案には大きな問題があると考えています。実際、自民党の稲田朋美議員(法務委員会委員)を中心とした有志議員32名は国民の不安が払拭できるまで、慎重に審議するよう申し入れています。しかし、政府与党と民主党は18日に衆議院で採決するとしています。

参考:
国籍法改正案を了承
http://www.komei.or.jp/news/2008/1022/12815.html
「父母の婚姻」国籍取得要件から外す…法改正案閣議決定
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081104-OYT1T00274.htm
国籍法改正案、今国会で成立へ…民主が賛成方針
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081107-OYT1T00941.htm
国籍法改正問題で慎重審議を申し入れ 有志議員32人
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081114/stt0811142028003-n1.htm
国籍法改正案審議入り 不正認知横行の懸念も
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081115/stt0811150054000-n1.htm

国籍法の改正案

婚姻要件を無くし、日本国籍を持つ父親の「認知」により子の日本国籍を取得可能とする。偽装認知には懲役1年以下、罰金20万円以下の刑罰を追加する。

参考:
http://www.asahi.com/politics/update/1104/TKY200811040114.html

国籍法改正案の問題点

国籍法の改正には多くの問題があります。単純に人身売買、不法滞在などの犯罪に利用されるだけでないリスクがあります。本来、法律は性悪説で作られるべきと思います。特に日本国籍取得に関しては歴史的にも犯罪者に悪用されてきた経緯があるのでなおさらです。しかし、国籍法の改正案は性善説を前提としているように思えます。

客観的な親子鑑定の不在

認知は戸籍法に基づいて行われます。戸籍法の認知では、本当の遺伝的に親子であるかは問題とされていません。認知は個人の自由意志で行える仕組みになっています。今回、国籍法の改正の伴う戸籍法の改正はなされません。法務委員会での官僚の答弁では認知を行う上で、書類による審査など行うとしていますが、DNA鑑定無しでは偽装認知を効果的に防ぐ事は無理だと考えられます。

効果が無い罰則規定

偽装認知には罰則規定があります。罰則が甘すぎる事も問題ですが、偽装認知を検出する仕組みがないので罰則自体が機能しません。たとえ親子関係がなく国籍取得を目的とした偽装認知だとしても、強制的にDNA検査を行う条項などが無いので検査もできません。

明記されていない国籍の剥奪

不正に取得した国籍は剥奪されて当然ですが、国籍法の改正案には規定されていません。自民党の国籍問題プロジェクトチームの河野太郎衆議院議員のブログのQ&Aによると、不正取得された国籍であるなら剥奪するのが当然、と書かれていました。しかし、法律に明記されていない場合は行政に任される事になります。国籍剥奪の様に重要な問題を法律で明記しない理由が理解できません。行政のさじ加減で国籍を維持できたり、剥奪できるのは問題だと思います。

運用での問題回避

衆議院法務委員会の動画を見たところ、法案を説明されていた官僚は運用でも偽装認知を防げる旨の説明をされていました。しかし、国籍は国家の基本単位となる国民を区別する非常に重要な資格です。重要な資格である国籍の偽装認知を防止する仕組みを、法案の中に入れないのは重大な欠陥と言えます。さらに、法律の裏付けがないと強制的に偽装認知を確認する事は、ほぼ無理だと思います。法律も無いのに、強制的になんらかの確認をさせられるようでは、法治国家と言えないでしょう。

不法滞在

従来から外国人を日本に不法滞在させる事を目的とした、偽装結婚は横行していました。しかし、この改正案が成立すると、20歳未満の子供であれば認知する事により日本国籍を取得でき、当然日本にも滞在できるようになります。母親の日本滞在も容易に認められるでしょう。

人身売買

従来から不法滞在は強制売春などの温床であり、日本は国連人権委員会からも「人身売買を放置している国家」と名指しされ非難されているところです。国籍法の改正により、犯罪者が20歳未満の子供をより容易に人身売買を行えるようになります。直接20歳未満の女性を人身売買する事はもちろん、幼い子供がいる女性の子を認知し在留許可を得る、直接幼い子供を人身売買の対象にする、などの犯罪行為が予想できます。

ねずみ算式の移民

20歳近くの子供が日本国籍を取得した場合、すぐ数十人の外国人を呼び寄せる事が可能になります。幼い子供を自分の子供として認知するだけです。仮に行政側で渡航履歴などを検査して不正を防ごうとしても、もともと外国に住んでいた「日本人」が自分の子供である、と10人、15人認知しても偽装認知を証明する手段が全くありません。母親にも特別在留が許可されると考えられるので20人、30人の「移民」と言える外国人を受け入れる事になります。この法案では移民法より簡単に大量の移民を受け入れる事になりかねません。移民であれば途中で停止する事も可能ですが、この国籍法では停止することも不可能です。1000万人移民どころか、2000万人、5000万人でも受け入れざるを得なくなります。

治安問題

残念ながら外国人による犯罪率は日本人の犯罪率よりかなり高いのが現状です。不正に国籍を取得するなど、犯罪を犯して入国した者のほとんどは何らかの犯罪に関わると考えられます。どの国でも同じですが、多くの外国人を受け入れた場合、外国人が集団で住むようになります。日本は豊かな国であるため、経済的格差により特定の地域がスラム化する危険性もあります。人口の10%近くの移民を受け入れた国家では暴動なども発生しています。フランスでの暴動も記憶に新しいと思います。イタリアでは軍隊が出動する騒ぎまで発生しています。

雇用問題

ねずみ算的な移民を可能とするので雇用問題も発生します。まず最初に影響を受けるのは非正規雇用の方々でしょう。移民と言える人々は日本人より安い給与で雇えるので、経営者はこぞって外国人、元外国人を採用するでしょう。溢れた非正規雇用の受け皿はないでしょう。非常に高い失業率となる事が予想されます。

他文化強制

残念ながら「多文化共生」のような社会にはならないでしょう。これは、米国に留学していた体験から感じています。米国でさえ大きな問題を抱えています。日本文化と他の文化では文化的な違いは大きく、様々は文化が摩擦なく共生することは非常に難しいでしょう。短期間に大量の移民とも言える外国人を受け入れると、日本人が他の文化を強制される「他文化強制」となってしまうのは確実です。

社会的コストの増大

移民とも言える外国人が急増すると、社会的コストが飛躍的に増大します。刑務所は既に外国人犯罪者でいっぱいだとされています。日本語を理解できない日本人と外国人が増え、役所などでは翻訳が欠かせなくなるでしょう。翻訳だけでも毎年数兆円のコスト増になるかも知れません。経済的基盤が脆弱な新しい日本人が生活保護を必要とする事も容易に想像できます。さらに、日本は外国人に対しても生活保護も行っています。新日本人と一緒に日本に来た外国人にも、生活が困窮すれば生活保護が支給されます。金融危機でまた就職氷河期のようですが、雇用は確実に悪くなるでしょう。失業者の増大も大きな社会的コストとなります。日本はCO2排出権取引を行う事になりましたが、人口の増大によりCO2排出量が増えれば排出権の購入も必要となります。

法制度の不備

日本国籍を得た場合、当然日本に滞在する権利どころか、日本国民としての権利全てを行使できます。アメリカの場合、帰化1世は国政選挙に立候補できません。日本は帰化直後からでも国政選挙に出られます。実際に民主党には帰化直後に参議院議員比例区で当選し、その直後から外国の為に働く事を宣言した議員までいます。外国は帰化した国民のスパイ活動を防止するため、監視する仕組みを持っています。日本には全くありません。現在の日本の法制度では、新しい日本人による国益を損なう活動を防止する仕組みがない、と言っても構わない状況です。

アメリカでは父親が子供を認知しても、母親が滞在する許可は簡単には取得できなかったと思います。アメリカのように自由と平等を重んじる移民社会でも国を守る為に様々な権利を制限しています。日本には必要な法制度が整備されていません。

日本国の滅亡

ご存知の方も多いと思いますが、中国軍の指導者には「2050年までに日本はなくなる」と公言している方もいます。この国籍法によりこの言葉が現実となる可能性が十分あると考えられます。中国には人口を減らしたい事情があります。中国の農業人口は5億人とも6億人とも言われています。そして、農業が近代化すれば1億人でも多いくらいだと言われています。つまり、中国は国内の貧困問題などを解消する為にも、数億人単位の余剰人口を解消する必要があるのです。この国籍法は余剰人口を日本に押し付けるには都合の良い法律です。40年ほどの間に億単位の中国人を受け入れざるを得なかった場合、日本は日本国として存在しえないでしょう。世界の歴史には、このような形で滅亡した国がいくつもあります。

必要な対策

戸籍法の認知にDNA鑑定を導入するには様々な問題があるようです。子供としての権利(扶養義務、遺産相続など)を行使するだけであれば戸籍法の認知だけで十分だと思います。

国籍法で日本国籍を取得する際には、戸籍法上の認知と国籍法で定めたDNA鑑定を必須要件とするのが最も良いのではないか、と考えています。

DNA鑑定の結果が絶対的に正しいとは言えませんが、客観的な証拠がないと不正認知を効果的に防げません。裁判でも証拠として採用されているDNA鑑定を、一部のケースで正しくない場合があることを理由に導入しないのは、飲酒運転を100%取り締まれないので取り締まらないのと同じです。

追記:DNA鑑定が行われても罰則規定の強化も必要でしょう。DNA鑑定の偽造、国籍取得を目的とした妊娠などの非人道的行為を防ぐために懲役15年、罰金1000万円程度の罰則は最低限必要だと思います。

認知した場合、当然扶養義務が発生しますが国籍法でも必須要件とすべきでしょう。国籍取得要件に父親(母親の場合も同様)による扶養の事実確認、国籍取得後の扶養事実の確認が要件とすべきでしょう。無責任な認知を多数行え、国籍を配布できるような法律制度は決して許すべきでは無いと思います。また、特に悪用される可能性が高いとされる外国人母の特別在留資格の付与は、アメリカ同様にかなり厳しく制限するべきです。

素人の考えなのでご意見がございましたら、コメントをお願いします。

国籍法の改悪を阻止する方法

18日に衆議院で採決ですから時間はほとんどありません。この国籍法の改悪を阻止するには、国会議員、今は特に衆議院議員、に国籍法の改悪に反対である事を「直接」伝えなければなりません。

日曜日は国会議員は地元に帰っているはずです。議員事務所に直接出向き、国籍法の改正案の内容に不安があり、政府案のまま成立させるのは反対である、と伝えると効果的だと思います。

地元国会議員が法務委員である場合は事務所に行き、現行法案に反対するのは効果的だと思います。
法務委員会 委員名簿
http://www.shugiin.go.jp/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0030.htm

月曜日はメールでもFAXでも電話でも良いので、議員事務所に「現状の国籍法の改正案に反対」である旨を伝える必要があります。政党本部、都道府県支部に電話するのも良いと思います。

法律には素人ですが、この法案は本当に危険な法案だと思います。移民法と違い、外国人の流入を止める事ができない法律になっています。移民国家のアメリカでさえ新しい移民、不法残留ができかぎり少なくなり、文化摩擦が起きないようにシステムを構築していても、問題を解決できているとは言えません。無防備と言える状態で移民を無制限に受け入れる事と、同じとなってしまう可能性が非常に高い考えられます。

民主主義は黙っていては機能しません。国籍法の改正は危険だ、と感じた方は是非行動を起こしてください。私は二人の娘を持つ父として行動します。

追記:日本はスパイ防止法や外国人の親戚が大量に押し寄せる事を防ぐ法制度ができていません。むしろ、反対に外国人が押し寄せたくなるような制度があるくらいです。国民の生活が成り立たなくなったら国が保護するのは良いことですが、日本は外国人に対しても保護を行っています。国民の保護は国の義務です。外国人の保護は外国の義務です。このように区別がきちんとされていない状況では、すぐに不利益がなくても長期的に多くの国益を損ねる事になると予想できます。

国籍法の改正と自民党の国籍法プロジェクトチームの重国籍

今回の国籍法の改正とは別に、自民党の国籍法関連のプロジェクトチームから2重国籍を認める私案が出されています。この私案と政府提出の国籍法の改正案は全く別物です。同時期に提案されているので混同されないようご注意ください。

最後に

いつもはコンピュータのセキュリティリスクの事をあれこれ想像して心配しているのですが、心配だけに終わる事も多いです。この国籍法の改正案のリスクをあれこれ想像すると、国家存続を危険にさらすリスクがある、と思えてなりません。国籍法に対する不安も、杞憂に終わればよいのですが、このままでは政府案のまま成立してしまいそうです….

ネットには多くの方が国籍法の改正について記載・評論されています。マスコミはほとんど報道していませんが、私と同じようにリスクを感じている方が多数です。検索して見てください。

記述に事実誤認など間違いなどございましたら、コメントをお願いします。

追記:
これは詳しく解りやすく解説しています。是非見てください。
http://jp.youtube.com/watch?v=p6KU05NS4Ek (1/3)
http://jp.youtube.com/watch?v=p5vWBxQu3dU (2/3)
http://jp.youtube.com/watch?v=bgxdf_1qFsM (3/3)
「外国を見て来たきたからこそ、日本の良さがわかり、守っていかなければならないと感じた」とおっしゃる牧原秀樹議員の意見には全く同感です。しかし、国会議員が誰も知らないで重要法案が決まるとは、ここまで日本の政治はダメなのか、と悲しくなりました。