3月、本誌のインタビューでサンのマクネリー会長は、IBMがコンピューター業界で再び独占的な地位に立とうとしている現状を、こう皮肉った。人類にとって、恐竜の復活は悪夢に違いない。
メインフレームが復活するのは悪夢、と皮肉っているだけではSUNの将来も危ういでしょう。分散システムを広めるために大々的にTCO削減キャンペーンを行っていた事を忘れてしまったのでしょうか?
現在ではネットワークの単価はムーアの法則を遥かに上回るペースで下落した結果、集中システムを維持するために必要な広域ネットワークも無料同然で手に入るようになってきています。今やファイルサーバでさえ集中させてしまっても問題が無くなってきています。実際に広域LANを利用している企業も多数です。
たとえシステムが一箇所に集中していても、多数のサーバをメンテナンスするのは非常に手間がかかります。だからこそPC系のサーバでさえバーチャルサーバ技術への対応が急速に進んでいます。SUN自身もSunFireの仮想システムでメインフレームの様な機能を付けています。
メインフレームへの回帰のトレンドは随分前に始まっていました。ユーザはトータルで安ければメインフレームでもSUNでもPC Linux、Windowsでも何でも良いのです。トータルで安いとは通常の意味でTCOに加え、既存のソフトウェア資産が活用できるか、安全性・信頼性などの必要要件なども含め、最適なシステムは何かを検討し、Linux対応メインフレームが最適な選択肢であっても何ら不思議ではありません。
実際問題として「SUNにとって、恐竜の復活は悪夢」でしょう。SUNはエンタープライズ市場のハイエンドを狙い、いいところまで来た、と思っていたところに過去の遺産に市場を丸ごと横取りされてしまった形ですから。しかし、このままではSUNは衰退するばかりですね…
何故、今、新たにSUNを選択するのか?その理由が見当たりません。
# 個人的には元気にやって欲しい企業なんですけどね…