日: 2005年7月13日

関数の戻り値と定数値(リテラル)への参照

追記:このエントリへのアクセスが多いので加筆修正しました。

Fatal error: Only variables can be passed by reference

直訳すると「致命的エラー:変数のみ参照渡しが可能です」となります。エラーメッセージの通りvariable(以外)の値は参照として渡せないのでエラーになっています。エラーメッセージが適切かどうかは微妙ですが、意訳すると「致命的エラー:ソースコード中に記述した定数値(リテラル)へのアクセスはできません」あたりが妥当と思います。当然ですがdefineで定義した定数値を返す事は可能です。PHP内部では定数は変更できない「変数」の様に実装されているからです。このエントリの「定数値」を正確に書くと「ソースコード中に記述された定数値」となります。

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.mobiドメイン承認

何度か「もう新しいドメインは必要ない」とこのブログに書いていますが、ICANNはモバイル用に.mobiを承認したようです。

EU用の.euドメインは、EUが最終的には統一国家のような体制を目指しているので必要かとおもいますが、アダルトサイト用.xxxやモバイル用.mobiはドメイン名のレジストラとごく一部の利用者(ドメインを必要とするもの)を除いて不必要なドメインです。管理上、地域別にドメイン名を付けるのは理解できます。しかし、サイトの種類に応じてドメイン名を付ける、と言うアイデアは破綻している事が証明されてから久しいです。トップレベルのドメイン名がどんどん増えていますが、レジストラのみ儲ける仕組みですね。
# 会社名.xxx等をアダルトサイト運営者に取得されないように
# するためだけに企業が.xxxドメインを取得するのは目に見え
# ています。.xxxドメインの半数以上は普通の企業のドメイン
# となると思います。(アダルトビジネスを甘く見すぎ?)

ところでアフリカ連合が統一国家的な体制になった場合、ドメイン名をどうするか問題になりますね。.auは既に使用済みです。この心配が現実になるとしても少なくとも50年以上先の話とは思いますが。

悪魔の双子

「悪魔の双子」という攻撃はセキュリティに詳しい方ならご存知と思いますが、あまり一般的に認知されていないような気がしてきたので簡単に書いておきます。日本語版Wikipedia、はてなにも「悪魔の双子」は登録されていないようです。さすがに英語版Wikipediaには載っていました

日本語のニュースでは、少なくとも、WIRED NEWSに米国イベント会場で「悪魔の双子」のアクセスポイントは頻繁に発見される、と言う趣旨のニュースは出ていたような気がします。(記憶が曖昧。自信なし)

英語版Wikipediaの定義によると、悪魔の双子(Evil Twin)とは

An evil twin is the concept in fiction (especially science fiction and fantasy) of someone equal to a character in all respects, except for a radically inverted morality.

とされています。日本語に訳すと次のような感じになります。

悪魔の双子とは架空の物語(特にSFやファンタジー)の登場人物で、正反対の道徳性を持つこと意外は全く同じ特徴をもつ登場人物のことです。

「悪魔の双子」による攻撃とは、イベント会場などで利用者の利便性の為に無料で提供される無線LANのアクセスポイントを装い、「悪魔の双子」のアクセスポイントを経由したパケットからユーザ名やパスワード等の情報を盗み取る攻撃の事です。アクセスポイントはイベント会場だけでなく、会社や学校、公衆無線LAN、誤った設定のアクセスポイントなどに偽装している場合もあります。「悪魔の双子」による攻撃は無線LANのアクセスポイント以外でも応用可能ですが、無線LANのアクセスポイントを偽装した攻撃を「悪魔の双子」と呼ぶ事が普通のようです。

ネットワークのパケットを盗み見ても価値のある情報はそう簡単に盗み取れない、と思うのは間違いです。今でも暗号化が全くないPOPやIMAPアクセスは普通に利用されています。多くのユーザがメールのアカウントのアカウント名とパスワードは他のアカウントのIDとして利用しています。

登録済みのアクセスポイントに自動接続する仕組みは非常に便利ですが、メールクライアントを立ち上げたまま「悪魔の双子」のアクセスポイントに接続してしまうとメールアカウントのユーザ名とパスワードが盗まれる可能性があります。

アメリカのイベント会場では「悪魔の双子」が見つかっても珍しくない状態になっているようです。日本の状況をレポートした資料は見た事がないですが、用心するにこした事はありません。

イベント会場など他の場所では無線LANを使わないから大丈夫、ともいえません。例えば、社員が職場に「悪魔の双子」を設置した場合はどうでしょう? 大丈夫でしょうか?

蛇足:
時々、無線LANへのアクセスをMACアドレスベースで制限しているので大丈夫、と勘違いされている方を見かけます。WEPで暗号化していても(当たり前ですが)MACアドレスは暗号化できません。最近のNICはMACアドレスを自由に変更できます。したがってMACアドレスでアクセス制限をしてもセキュリティ対策として意味がありません。

ところで「悪魔の双子」による攻撃は無線LANがはやる前から懸念されていた攻撃方法です。「悪魔の双子」という注目を集めやすい名前から急速に認知されるかもしれませんね。(何年も前からEvil Twinは無線LANのアクセスポイント偽装をあらわす用語として使われていたように思えます。どうだったかな?)