少し前になりますが小泉前首相が安部首相に対して「鈍感力も大事」と言っていましたが、良い事を言うなあ、と思って聞いていました。「鈍感力」は日常生活でも必要不可欠です。
例えば、道を歩いているだけでも交通事故合うかもしれないです。飛行機に乗ると墜落するかも知れません。もしかすると寝ていても隕石が落ちてきてあたるかも知れません。隕石に当たって死亡する事を心配する人はいないと思いますが、交通事故や飛行機事故を心配する人は多いと思います。可能性を考えすぎると怖くて何も出来なくなります。
コンピュータを使っていても同じです。ネットワークを盗聴されているかも知れません。OSにセキュリティホールがあるかも知れません。ブラウザにセキュリティホールがあるかも知れません。Webサイトにもセキュリティホールがあるかも知れません。可能性を考えすぎると怖くて使えなくなります。
コンピュータの利用には非常に多くのリスクが存在します。CVEに登録・公開されているセキュリティホールはほんの一部で氷山の一角でしかありません。ソフトを全て最新版にしても新しいバージョンに新たなセキュリティホールがあるかも知れません。あり得ないですが仮に「ソフトが全部安全」だとしてもハードウェアに仕組まれた「ソフト(ファームウェア)」に攻撃コードが含まれているかも知れません。コンピュータを実際に利用するには「鈍感力」がないと利用できないほどリスクが沢山あります。
しかし、ソフトウェア開発者にはセキュリティ「鈍感力」は(あまり)必要ありません。「鈍感力」より「想像力」が必要です。ここで間違えるとセキュリティ上の問題になるかも!この仕様だと他の仕様と組み合わせるとセキュリティホールになるかも!と想像できないとならないです。だれであっても、どれだけ経験・知識があっても、どんなに想像力があっても、全ての脆弱性を想像する事は不可能です。
開発者は「想像力」豊かに、利用者は(ある程度)「鈍感力」を持って、コンピュータを利用する必要があります。
# 開発者・利用者ともに「鈍感力」を鍛えすぎ、かな….
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