タグ: PHP

  • JavaScript文字列のエスケープ

    サーバー側のプログラムでJavaScriptの文字列にデータを出力するケースはよくあります。このような場合、エスケープ処理を行うことが必須です。

    JavaScript文字リテラルは次のように定義されています。(ECMAScript 5.1)

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  • SQL識別子のエスケープ

    SQLのリテラルはエスケープが必要であることは広く認知されていると思います。しかし、識別子のエスケープはあまり広く認知されていないように思います。

    PostgreSQLの場合、識別子のエスケープAPI(libpqのPQescapeIdentifier)が提供されておりPHPでもpg_escape_identifier()として利用できます。PostgreSQLの場合は”(ダブルクオート)で識別子を囲むことにより、ダブルクォート無しでは利用できない文字(例えば日本語)も識別子に利用できるようになります。
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  • 徹底攻略 PHP5技術者認定上級試験 問題集

    徹底攻略 PHP5 技術者認定 [上級] 試験問題集 [PJ0-200]対応 が手元に届きました。

      

    私はPHP技術者認定機構として試験範囲に対応しているか、例として解説されている問題が適切であるか、などを監修者の1人としてお手伝いさせて頂きました。

    試験対策本ですが、PHP開発者が自分の知識のチェック、より深くPHPを知るための本としても適していると思います。プログラミングを始めたばかり、PHPを始めたばかりの方にも、既にPHPでバリバリ開発されている方でも、どのレベルまでを習得すれば上級者と言えるのか?目標を定めるガイドラインとしても役立つと思います。

    本書はPHPの使い方やPHPを使ったアプリの作り方を学ぶ本ではありませんが、技術者認定試験を受験するしないに関わらず、全てのPHP開発者にお勧めできる本だと思います。

    本書はPHPを始めたばかりの方には難しすぎるかも知れません。PHPを始めたばかり方は「PHP公式資格教科書 PHP5技術者認定初級試験対応 (EXPERT EXPASS) 」、「徹底攻略 PHP5技術者認定[初級]試験 問題集 [PJ0-100]対応 (ITプロ/ITエンジニアのための徹底攻略) 」こちらも参考になると思います。PHP開発者として必要な基本的知識を持っているか、確認できます。

     

    PHP技術者認定認定試験についてはこちらを参照してください。

    http://www.phpexam.jp/summary/

    初級認定にくらべ、上級認定はかなりの難関となっています。既に上級認定に合格された方は、論文審査によるウィザード認定にチャレンジしてください。現在、論文を受付中です。まだウィザード認定を受けた方は1人も居ません。最初の認定者となるのは貴方かも知れません。

    PHP技術者認定試験はオンライン試験で全国どこでも、何時でも受験できます。上級認定試験を今から受けても間に合います。

     

  • Sessionアダプション脆弱性の修正

    やっとPHPのセッションアダプション脆弱性を修正するパッチとプルリクエストを作りました。議論は済んでいるのでパッチを検証、調整してマージするだけです。

    PHPに限らず、未初期化のセッションIDを正規のセッションIDとして受け入れてしまうセッション管理機構があります。(Javaとか)

    サイトで稼働している全てのアプリが正しいセッション管理(ログイン後にセッションID作り直す。ログオフで廃棄。一定時間経過後、セッションIDを再生成)を実行していれば良いのですが、共有環境や複数のアプリが使われる事が多いPHPでは特にリスクが高くなっています。

    未初期化のセッションIDを受け入れてしまうセッション管理機構は脆弱だと言って良いと考えています。セキュリティのベストプラクティスには確立されたセキュリティ手法(ベストプラクティス)はそのまま使うべき、というプラクティスがあります。つまり、信頼できるフレームワークのセッション管理機構をそのまま使いなさい、がベストプラクティスという事です。しかし、フレームワークとしてURLへのセッションID埋め込みをサポートしているのに、簡単に直せるセッションアダプションを修正しないフレームワークは到底「ベストプラクティスを実装している」と言える状態ではないと考えています。

    セッションアダプション脆弱性についてはPHPのWiki(英語のみ)に書いています。詳しくは以下のWikiを参照してください。

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  • PHP 5.5.0 リリース

    PHP  5.5.0がリリースされました。
    PHP 5.5のリリースにともないPHP 5.3の開発は終了し、今後一年間セキュリティフィックスのみが提供されます。

    PHP 5.3/5.4で動作するPHPアプリケーションのほとんどはそのまま動作しますが、非互換な変更を含むリリースです。ChangeLogやマイグレーションガイドを利用してアップグレードが必要です。

    個人的に特にお勧めしたい新機能はPHP 5.5から含まれるcrypt関数のラッパー関数であるpassword_hash関数です。この関数を利用すると、PHPのバージョンアップをするだけで互換性を維持しつつ最適なパスワードのハッシュ化が可能になります。

    バイトコードキャッシュモジュールであるOpcacheも標準モジュールとして配布されるようになりました。OpcacheはZendOptimizer+としてZend社が商用製品として配布していましたが、Zend社から提供され標準バンドルされることになりました。APCとは全く別のモジュールなので注意してください。OpcacheはソースコードからビルドすればPHP5.3/5.4でも利用できます。

    気になる性能ですが様々な最適化で少し速くなっています。

    OpcacheはAPCより多少性能が良いです。元々Zend社が作っていたので特にZendFrameworkとは相性が良いようです。

    ところでセッションアダプション脆弱性の修正は時間ができたらマージできる物を用意します。と、いうことでまだ少しお待ちください。

  • Webノウハウシェア2013のスライド

    5月24日(金)に開催されたWeb担当者向けのセミナーの「Webノウハウシェア2013」にBOSS-CON JAPANのPHP Security AlianceのCTOとして講演してきました。その講演のスライドです。


    http://www.slideshare.net/yohgaki/boss-conphp

    Javascriptを利用した内部ネットワークのスキャンが可能である事は良く知られていると思います。ここ数年セキュリティ研究者は更に企業ネットワーク内の奥深くに侵入する手法を研究しています。

    企業内のシステムはインターネットに公開するシステムに比べると甘いセキュリティ対策が採用される事が多いですが、インターネットと同様のセキュリティ対策を行わないと思わぬリスクが発生します。特にSSRFの脅威は広範囲に渡ります。正しく理解しておく必要があります。

    追記:PHPユーザに取って重要な事の1つを紹介しておきます。

    PHP-FPMを利用する場合、php_admin_value, php_admin_flagでphp.iniを設定する方が良いでしょう。手元のFedora18のNginx+PHP-FPMでPoCをそのまま実行した所、エラーになって攻撃は成功しませんでしたが、php.iniの設定をリモートから変更できるとする情報もあります。

    追記:ブログアプリ変更でリンクが無くなっていたので、SlideShareの方に公開しました。

  • 第四回 岡山PHP勉強会

    岡山PHP勉強会で使ったスライドです。

  • セッションID管理は結局どうすれば良いのか?

    脆弱性やセキュリティ対策について技術的な話ばかりしていたので「それで結局PHPのセッション管理どうすれば良いの?」と思われた方も多いと思います。簡単にまとめます。漏れや追記した方が良い事などがあったらご指摘ください。

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  • セッションアダプション脆弱性がないセッション管理が必要な理由

    徳丸さんから「ブログ読みました。サンプルも動かしました。問題は分かるのですが、セッションアダプションがないPHPだと、何が改善されるのかが分かりません。教えて下さい 」とあったのでツイッターで返信するには少し長いのでこちらに書きます。まだ直していない脆弱性を詳しく解説するのはあまりよくないのですが、今なら影響を受けるアプリはほぼないと思うので構わないでしょう。

    まず前提として、Webサーバと同様にJavascriptからもクッキーが設定できます。Javascriptインジェクションに脆弱なコードがサイトに1つでもあると、サイト上のセッションアダプション脆弱性をもつアプリへの攻撃が可能になります。この攻撃を緩和する対策もありますが、それはそれ、これはこれなので省略します。

    セッションアダプションに脆弱なセッション管理機構で困る代表的なケースは以下の通りでしょう。

    1. ログイン時にsession_regenerate_idを呼んでない
    2. 自動ログインなど通常のセッション用以外でsession_regenerate_idを呼んでいない
    3. session_regenerate_idを呼んでいても、途中で保存している
    4. session_regenerate_idを呼んでいても、途中で実行パスが変えられる

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  • PROVE2の先行販売

    PROVE2エンタープライズ版の先行販売を12/25日までの期間・数量限定で行なっています。PHP5.1/5.2をご利用中でPROVE2を運用・開発に組み込みたいとお考えの方は是非この機会にご購入ください。

  • PROVE2の紹介動画

    PROVE for PHPへ紹介動画を掲載しました。PROVEの動作・操作を3分ほどで見て頂けます。より高解像度で見れるようYouTubeにHD版もアップロードしています。

    PROVE for PHPはPHPの内部動作を記録・比較し、新しいバージョンで意図通りに動作しているか確認できるテスト・ツールです。PHPプロジェクトがソースコード管理システムをGitへ移行してから、予定通り毎月新しいリリースが公開されてます。PHPを最新の状態に保つ事はセキュリティ維持の為に書かせませんが、運用中のシステムのバージョンアップは容易ではありません。PROVEはそういったバージョンアップを簡単にします。

    使い方は色々あります。

    • PHPのバージョンアップ前後の動作確認
    • 再帰テスト為のリクエスト送信をWebアプリに送信
    • 実行内容を参照し問題の発生箇所を特定

    PROVEはPHPの動作環境を記録した時と同じ状態にして、スクリプトを実行できます。この為、テストケースの作成はブラウザでアクセスするだけ、テストは記録したログを再生するだけで完了します。PHPのバグフィックスやセキュリティフィックスで動作が変わった場合、どこで動作が変わったのか簡単に分かります。リリースノートなどのみでは分からない動作変更も見つける事ができます。時間関数やファイル関数、データベース、ネットワークなど状態や外部リソースに依存する関数は実行をオーバーライドし、記録した時点の結果を返すことが出来ます。つまりmicrotime関数やsrand関数などに影響されずに、(PHPの動作が変わっていなければ)記録時点と同じ実行結果を得る事ができます。

    PROVEのホームページで解説していない利用方法として、スマートフォンや携帯サイト開発での利用方法を紹介します。PROVEには「再帰テスト為のリクエスト送信をWebアプリに送信」する事ができます。スマートフォン、携帯サイトなどの場合、機種などの応じて異なるレスポンスを行う事が良くあります。PROVEの場合、PHPアプリにリクエストされた「リクエスト情報」がそのまま記録されます。これを再生することにより、繰り返しスマートフォンや携帯を使わずにこれらのデバイスを利用したテストを再現できます。

    PROVEには前回記録した状態を再現・外部リソースに依存せずに動作する機能がありますが、この機能を利用しない状態でも利用できます。この場合、データベースやファイルなどの外部リソースをテストケース作成時と同じ状態にして実行し、PROVEによる再現機能を使わずにより広い範囲のPHP機能のテストを行う事も可能です。

    プロキシやブラウザでWebアプリケーションの動作を記録するテストシステムと比べると、PHP内部の動作を全て記録するPROVEのテストは比較にならない程強力です。

    PROVEの基本機能

    • ブラウザからのリクエストの記録
    • リクエストを処理した際のPHP動作の記録
      • 全てのリクエスト情報(POST、GET、COOKIEなど)
      • 出力(出力関数単位で習得可能)
      • 関数呼び出し
      • 関数戻り値
      • セッション情報
    • 記録したリクエストの再生
      • 記録した時点の状態を再現
      • 指定した関数のみ状態を再現
      • 記録時点の状態を再現せずに実行
    • 実行差分の参照
    • 記録したログの参照

    新しいPROVE2のベータ版が公開中です。ご興味がある方は是非一度お試しください。

    ホームページ

    ベータ版ダウンロード

     

  • PHPのStrict Sessionパッチ

    のんびりしていた訳ではありませんが、PHP 5.4.1のブランチが作られたので慌ててStrict Sessionパッチを改訂しました。

    master
    https://gist.github.com/1379668

    5.4
    https://gist.github.com/2224196

    5.3
    https://gist.github.com/2224360

    以前、Gistに入れていたパッチとの違いは、

    • PSモジュール(セッションセーブハンドラ)のAPIを変更しないように修正
      (これにより使っているハンドラが対策済みかどうかは見て分かるようには出来なくなりました。その代りにmemcacheなどのサードパーティのセーブハンドラのコンパイル済みバイナリとの互換性を維持しています。)
    • セッションIDのコリージョン(衝突)を検出
      (三回リトライしてもコリージョンする場合はエラー。通常、三回もコリージョンすることはまずあり得ません。)

    となります。

    PSモジュールを書く方(ユーザセーブハンドラ含む)はセッションをOPENする場合にセッションIDが初期化済みか、チェックする必要があります。

    と、ここまで書いてパッチに多少問題がある事に気が付きました。自動生成する場合はコリージョンを検出していますが、session_regenerate_id()で生成する場合はコリージョンをチェックしていません。session_regenerate_id()を呼んだ時もチェックしないと片手落ちなので近いうちに修正します。

    パッチを書いていてsession_write_close()してsession_start()をした場合、おかしくなることに気が付きました。困っている人が居るか、バグDBを検索するとやはり数人からバグレポートされていました。この件は別途に対応する事にします。

    パッチを使ってみてくださる方、大募集です。ZTS、Non-ZTSの両方でUNITテストは実行していますが、Webサーバでテストしていません。動いたら、Twiterなどで良いので教えてください。よろしくお願いします。

     

    このパッチについては、こちらをご覧ください。これは私が書いているのでおかしな英語があった場合、教えて頂けると助かります。

    https://wiki.php.net/rfc/strict_sessions

  • 「PHP徹底構築」を頂きました

    廣川類さんが執筆された「PHP徹底構築」を頂きました。3/29日発売らしくアマゾンでも予約受付中の出来たてホヤホヤの本です。書籍イメージも無かったので自分の携帯で撮った写真を載せておきます。

    最新版のPHP 5.4にも対応しています。先程届いたばかりなので読むのはこれからですが、内容を簡単に紹介します。

    (さらに…)

  • OSC愛媛2012の資料 – PHP5.4とはどんなPHPなのか?

    OSC愛媛2012の「PHP5.4とはどんなPHPなのか?」の資料を公開します。ポイントは以下の通り。

    • PHP 5.4は基本的にはベターPHP5.3
    • 互換性問題もあるが、一般に致命的な問題はない
    • 全般にPHP5.4は速い
    • 移行を考えている方は早い方が良い(使える期間が長くなる)
    • ディストリビューションのPHPを使う、という選択もある(RHEL6 PHP5.3, Ubuntu LTS PHP5.4?)

    プラットフォームの選択には様々な事情がありますが、Traitsはコードを効率良く再利用するには便利な機能です。さっと移行してしまうのも良いでしょう。

    ところで、Traitsの例としてアクセサの実装例を紹介しています。

    https://gist.github.com/1379592

    しかし、次のPHPではC#風のアクセサ文法がサポートされる可能性があります。

    https://wiki.php.net/rfc/propertygetsetsyntax

    こちらの方が色々便利です。利用する場合は、このような文法が実装される可能性があることを理解した上で使うと良いと思います。

  • PHP Git Repository

    PHPのソースコードのリポジトリがSubversionからGitに移行しました。

    https://wiki.php.net/vcs/gitfaq

    個人的には、これで色々楽になります。