車用にスマホホルダーを購入するにあたり、最近はマグネット式が多いと分かりました。そこで気になるのが「マグネット式のスマホホルダーは大丈夫なのか?」です。
- 磁力が電子機器の塊であるスマホに悪影響を与えないか?
- マグネットでしっかり固定できるか?
このあたりが気になるはずです。
磁力が電子機器の塊であるスマホに悪影響を与えないか?
特に気になるのが電子コンパスでしょう。方位磁石の仕組みを忘れていなければ、
- 磁石を近づけても大丈夫なのか?
と、気になると思います。
電子コンパスで有名なメーカーは旭化成やアルプス電気です。旭化成エレクトロニクスには電子コンパスの仕組みを解説するページが用意されていました。
「GPSと電子コンパスがあれば簡単に歩行者ナビが実現できる」と思われるかもしれませんが、現実はそう簡単ではありません。
コンパスの機能を携帯端末に組み込むためには、地磁気の測定に大きな障害となる幾つかの課題を解決しなければならないのです。
たとえば、携帯端末で使用されているスピーカーやメモリーカードなどの磁性を持った部品の影響や、端末の近くに磁石を近づけるなどして起こる磁気(外乱)の影響を解決する必要が有ります。
旭化成エレクトロニクスのWebサイトでも解説している通り、スマホにはスピーカーやその他の磁気を発生するモノが付いています。(電磁波というくらいで、電気/電波は磁気も発生させます)
地磁気は弱いので近くに磁力の発生源があると正しく検出するのが困難に思えますが、技術で解決しているそうです。
これらの影響を取り除くため、旭化成エレクトロニクスでは、電子コンパスの周囲からの磁気の影響を自動的に推定し補正するインテリジェントな「Dynamic Offset Estimation:DOE(R) (動的オフセット推定)アルゴリズム(※)」を開発・提供しています。
磁場の影響の補正や調整の技術が、携帯端末で電子コンパスを正しく機能させるために上で不可欠の要素となっているのです。(方位磁針ではこのような磁場の影響を取り除くことはできません。)
電子コンパスは磁気センサを用いて地磁気の大きさを電気的に計測し、 その測定値を計算することで、方位情報を算出しています。
そもそも電子コンパスの仕様として外部の磁気の影響を受けないようになっています。少なくとも電子コンパスに関して磁石の影響は考慮しなくても大丈夫だそうです。
とは言っても「8の字回し」のキャリブレーションが必要になるのでは?と思うかも知れません。最近のスマホは「8の字回し」をしなくても方位を正確に示すと思っていたら、
AKMの電子コンパスはソフトウェアによる自動キャリブレーション機能が働いていますので、わざわざ手動で再調整を行う必要はありません。ただ、素早く効率的にキャリブレーションしたい場合には、端末を8の字に動かすという方法が有ります。
自動的にキャリブレーションしてくれているそうです。道理で今のスマホは手動で「8の字回し」をしなくても、正しい方角を指している訳けです。
キャリブレーションは「8の字回し」をしなければできないのではなく、様々な方向に向ける、これができれば十分だそうです。様々な方向に向ける、を効率的に行う方法として「8の字回し」を考案したようです。
最近のスマホなど”Qi”ワイヤレス充電に対応しているモノも多くありますし、そもそもスピーカー等も付いています。結論としては
- マグネット式のスマホホルダーでも問題ない
として良さそうです。
※ あくまでも自己責任で。全てのスマホで問題ない、とは限らないので。
最近のスマホはQi対応(=電磁波に強いはず)だったりします。古めの方が良いだろうということでXperia Z3のマニュアルを見てみました。
磁気カードなどを卓上ホルダに近づけないでください。
キャッシュカード、クレジットカード、テレホンカード、フロッピーディ
スクなどの磁気データが消えてしまうことがあります。本端末に磁気を帯びたものを近づけないでください。
強い磁気を近づけると誤動作の原因となります。
WiFiの注意項目には磁気のある所では悪影響があると記載されています。
無線LANについて
電気製品・AV・OA機器などの磁気を帯びているところや電磁波が発生しているところで利用しないでください。
Z3の”卓上ホルダ”は接触式の充電用ホルダですが、これに磁気カードを近づけたらダメだった、とは今知りました。卓上ホルダのケースはプラスチック製でしたが、防磁対策が無かったのでしょうか?
電気、電波、磁気は相互に影響し合うので、何れかがあると影響があります。他の注意事項からも分かる様に常識的な範囲であれば(あまりに強すぎる磁気でなければ)問題ないでしょう。気になる方には非マグネット方式のホルダをお勧めします。
※ 磁場が変化すると電気が発生ことは中学生の頃(?)に習うと思います。電気が発生するということは、電子デバイスが誤作動する可能性があることになります。最近のスマホは超小電力です。つまり、弱い電気でも誤作動することになります。とは言ってもスマホは電波を”出します”。自分自身が出した電波で誤作動するようでは欠陥製品です。電波を出すデバイスなので必要な箇所には防磁(電磁波)対策もされています。携帯電話が一般化しだした頃、携帯電話が原因で「火災報知器が動作した!」とか「センサー式のトイレ洗浄ボタンが動作した!」といった誤作動がありました。20年程前の事なので40代以上の方は、こういった誤作動を覚えている方も少なくないと思います。対策されているとはいえ、マグネット式ホルダーの磁力は想定外、といった製品もあると思われます。
マグネットでしっかり固定できるか?
透明ケースも使っているし磁気の影響は大丈夫だろう、ということでAmazonで検索すると、丁度欲しかった黒系のマグネットホルダーがセール中でした。
※ 欠品になると別の製品が表示されるようです。実際に購入したモノはコレの接着するタイプの製品です。以下は購入した製品の使用感です。使いだしてから半年後の感想ですが、今後マグネット式以外は購入しないと思います。使い易さが別次元です。
取り敢えず、磁石吸着力やボールジョイント硬さは十分で、普通に運転していてスマホが落ちたり、傾いたりすることは無いと思います。タブレットだと重過ぎるかも知れません。(説明にiPadはサポートしない、使う場合は2つ使用と記載されている)
- スマホ程度ならマグネットでしっかり固定できます。
しっかり固定でき過ぎるくらいで、磁力が強過ぎなのでは?と思えるくらいですが、透明カバーを付けたXperiaでは問題ないようです。(磁力は距離の2乗または3乗に比例して弱くなるので、少しの距離の違いで大きな違いとなる)
この製品は本体以外に以下の物が含まれています。
- メタルプレート (スマホに貼る金属プレート) 2枚
- 透明プラシート (スマホにメタルプレートを直接貼りたくない人用の保護シール) 2枚
- 本体固定用の両面接着シール 2枚 (本体に一枚付けた状態なので3回やり直せる)
- 接着面のクリーニング用アルコールシート 1枚
問題になりそうなのは両面接着シール(3M製)の粘着力です。綺麗に剥がせるタイプなのですが、その為に粘着力が弱いです。凹凸のあるダッシュボードなどには着きません。製品説明にも「ダッシュボード以外」と記載されています。
本ホルダーは3*3cmのところに利用して設置できます。ホルダーと車と接着する部分は強力な粘着剤を使用し、安定性を高めます。ダッシュボード以外、車フロントガラス部分やセンターコンソール部分、斜めのボード、垂直部分などでも取り付け可能です。
サイズが小さいので、トイレなど小物の固定もできてとてもおしゃれです。
ツルツルした面でも接着力には不安があります。着きにくい面に付けたい場合は別途強力な両面接着テープ(厚味があるタイプ)を用意しておく方が良いです。より強力な両面テープならダッシュボードにも着けれます。
この製品は安いのに必要な付属品がきっちり付いているし、本体も金属で質感も良いです。車以外でも、手軽にスマホを固定したい、といった場合にもお勧めできます。
ただし、テーブルや机で使う場合、クレジットカード/キャッシュカードなど磁気カード類、防磁対策がない電気/電子機器には注意が必要でしょう。ご注意ください。
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