セキュアコーディング
APIを過信するとおかしな事になる例 – SAML認証成り済まし
今年の2月にSAMLライブラリの脆弱性が報告されていたことを覚えている人も居ると思います。 この脆弱性はXMLコメント(<!-- -->)の取り扱いの違いによって、本来のユーザーではない攻撃者を認証してしまう事が問題であったとしています。 攻撃用の文字列サンプルは以下のような物です。 <NameID>user@example.com&…
ドイツ人と入力バリデーションについて議論した話
メールアドレスから恐らくドイツ人だと思われる開発者とWebアプリ(サーバー側)の入力バリデーションについて議論した内容を簡単に紹介します。 どこかでした議論と同じでデジャブー感ですが、これから書くような感じの内容でした。議論相手のドイツ人の言葉がくだけた感じに書いていますが、「自分の考え方は完璧、私の考え方はとんでもない非常識」と思っていたらしく、お世辞にも…
忘れられた入力処理と出力処理の責任
入力処理と出力処理はプログラムの基本処理です。当たり前の処理ですが、Webアプリケーションでは基本的な事が知られているようで知られてないと思います。 入力処理と出力処理の両方ともがデータに対する責任を持っています。データに対する責任といっても、その責任は異なります。このエントリはプログラムの基本機能、入力処理/ロジック処理/出力処理が持っている責任を紹介しま…
命令と引数を分離すれば安全、と考えてしまう”とんでもない誤解”はどこから生まれるのか?
SQL文やコマンド実行には命令と引数を分離するAPIがあります。便利なAPIなのですが、安全性について根本的な勘違いが多いです。 プリペアードクエリ系のAPIさえ使っていれば安全 execv系のAPIさえ使っていれば安全 これらは大きな勘違いです。 データ処理の安全性は”出力先”の処理に依存する SQLのデータもコマンド実行のデータも、そのデータ出力の安全性…
構造化設計とセキュアコーディング設計の世界観は二者択一なのか?
https://blog.ohgaki.net/programming-view-of-the-world で構造化プログラミング/オブジェクト指向プログラミングの世界観(パラダイム)では、抽象化を行い問題を関数やオブジェクトの中に閉じ込める。つまり、プログラムの内部奥深くに”問題”を閉じ込めようとする。 セキュアコーディングの世界観では、”正しくないデータ…
Computer Programming Fundamentals and Principles – Input Validation
I had discussion on PHP dev mailing list. It appeared that not few developers misunderstand "What is Input Validations". Therefore, I summarize computer programming fundamentals an…
IPAは基礎的誤りを明示し、正しい原則を開発者に啓蒙すべき
セキュアコーディングの第1原則は「入力をバリデーションする」です。セキュアコーディングの第1原則はソフトウェアセキュリティの一丁目一番地と言えるセキュリティ対策です。 入力バリデーションを第一のセキュリティ対策としているガイドライン: CERT Top 10 Secure Coding Practices OWASP Secure Coding ‐ Quic…
ベストプラクティスもどきのアンチプラクティス TOP 10
ここ十数年で見聞きした、脆弱なアプリを作ってきたベストプラクティスもどきのアンチプラクティス、をリストアップしてみます。 限定された条件ではベストプラクティスと言える物でも、一般化するとアンチプラクティスになる物は多いです。 コード検査をしていると良く分るのですが、アンチプラクティスは強力な破壊力を持っています。ここに書いているアンチプラクティスを無くすだけ…
第一のソフトウェアセキュリティ原則さえ普及しない最大の理由とは?
追記:書き直しました。新しい方をご覧ください。 セキュアコーディングの原則1は「入力バリデーション」です。セキュアコーディングの原則1はソフトウェアセキュリティの一丁目一番地と言えるセキュリティ対策です。 入力バリデーションを第一のセキュリティ対策としているガイドライン: CERT Top 10 Secure Coding Practices OWASP S…
ホワイトリスト派とブラックリスト派 〜 セキュアコーディングが行われない理由
セキュアコーディングの原則1は「信頼できない入力を全てバリデーションする」です。この原則は国際情報セキュリティ標準でも当たり前の要求事項となっています。しかし、残念ながら「信頼できない入力を全てバリデーションする」が正しく実装されているアプリケーションはほとんどありません。 独自の定義や自分勝手なセキュアコーディング解釈をしているケースが散見されます。ここで…