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入門書の書き方

(Last Updated On: 2018年8月3日)

ほとんどの文章、セミナーでは対象とする読み手、聞き手を設定してから書き始めると思います。

極論すると、コンピュータを全く触った事がない人には今出版されているプログラミング入門書全ては難しすぎる入門書、になるでしょう。どのあたりに読み手を設定するべきか、コンピュータは知っているがプログラミングは初めて、からC/Java/etcのエキスパートでプログラミング言語はよく知っていて新しく言語を習得する方までいろいろあると思います。

私の書き方はあまり一般的ではない(笑)ため賛否両論になってしまうようですが、最も基本的な方針は「自分が買って読みたく、聞きたくなるなる本やセミナー」を目標としています。自分が読みたいとか聞きたいと思えない物を作ることに大きな抵抗感を持ってしまうからです。この方針のため癖のある文章やセミナーになってしまうと思います。もちろんこれだけでは自分以外には役立たない物になってしまうので、対象とする読み手や聞き手への配慮を入れるようにしています。

ちょうどWebサイトセキュリティの本を書いているところなのですが、この本も自分が読みたくなる本、となるように書いています。概念編と実践編の2部構成で、概念編は開発者以外の読者も読める内容、実践編は開発者向けの内容になります。書店で普通に販売されているコンピュータ関連の技術書の9割は入門書ですが、このWebサイトセキュリティの本も入門書です。

アマゾンのコメントはサンプル数が少なすぎで参考にするのは難しいですが、入門書は

・筆者自身の購買意欲をそそる細かな情報は無くても良いから、その分野の知識が無い人を対象にするべき(つまり、細かいことは置いておき、読みやすさを重視し詳細は省く)
・「PHPポケットリファレンス」も「はじめてのPHP言語プログラミング」もそれなりに売れているので、自分流で書いてしまうべき

のどちらにするかで迷っています。
一般受けして売れるのは前者なのでしょうね。
これはPHPポケットリファレンスを書いている時にも思った事ですが…

文章を書くのが上手な人はきっと簡単に両立できるのだと思いますが、私には難しい… (苦笑 

HTTP Response Splitting攻撃はこう行われる、IDSを潜り抜けるSQLインジェクション攻撃とか、具体的なことを書いても「難しすぎる」「説明が詳細すぎで初心者向けでない」「詳細が多すぎで対策の記述が不十分」と言うコメントが予想されます。硬派な技術系の方には「概念編は具体的な事がかいてないので無駄」「抽象的なことを説明するくらいなら、実践編にページを使った方がよい」などの感想になると予想できます。

要するに、このままではこれまで書いた本と同様、ツッコミどころの多い本になるという事です。
「○○入門」というタイトルになって★一つでも困りますしね…

さぁ、どうしましょう。今なら方針転換がぎりぎり間に合います。

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